【映画記録/Movies】『星の子』大森立嗣 2023.10.15
本作を鑑賞し終わって、映画のHPを見てみると、「この感動を、あなたと」というフレーズが目に入った。
私にとっての「感動」は、胸が熱くなり(暖かくなり)じんわりとしたエネルギーを得られる体験のことだと思う。
その点、本作は、「感動」する作品ではなかった。それより寧ろ「儚さ」や「危うさ」「苦しさ」を感じる作品であった。
両親から愛され成長したちひろが、学校や友人を通して、外の世界に触れ、これまでいた世界との違和感を感じる。その揺れ動きが本作では、痛いほどに伝わってきた。
ちひろのような体験は、誰しもが経験したことのあるものではないだろうか。
何を信じて、生きていくべきか。
サンドウィッチマン富澤さんのコメントにもあったけれど、まさに、人間は、様々なベクトルの中でバランスを取りながら生きているのだと思う。一つのベクトルに引っ張られるときがあれば、調和するときもある。
自分は、自分の生まれ育った世界以外の存在を、これまで実際に目にしたり、それこそ映画を通じて知ってきたと思う。この経験を通じて、一つの価値観に執着する危険さをなんとなく感じてきている。言い換えるならば、一つのベクトルを重視する危険さである。
だから自分と似たような価値観や考え方を持つ人を見ると、離れたくなる。
あくまで、自分は様々な選択肢や要素を理解した上で、自分の意志を信じたいのだ。いや、自分の意志さえも信じることは無い。常に、あらゆる選択肢(自分の心情も含む)の中で、フラットな立場から、物事を判断したいのだ。
ということで、現在良いなと思っている企業は、自分の心情的には良い企業だと思う。だが、それだけでは自分のフラットな立場では判断できない。もっと、企業のことを知って、他の観点からも判断した上で、決断したい。