インター卒のわたしがIBで後悔したこと
はじめに
前回、不合格体験を紹介したが、受験直前に関する内容に偏っていたので、インター在学中に後悔したことについて、IBの科目毎に紹介する。タイムマシーンで高校生の時に戻った場合、過去の自分に伝えたいことを中心に纏めることにする。
さて、自己紹介でも述べたように、私はインターを卒業したのち、某国立大学に進学した。当時はIBに関する情報を積極的に集めなかったので、特に11年生に入る前の学生やその保護者の方に、是非読んでいただければと思う。
はじめに、インター生でも、IBのスコア次第では東大へも進学できることを伝えたい。実際、IBで高得点を叩き出した友人は東大へ進学した。別の友人(外国人)は同スコアでケンブリッジ大学に進学した。未だやりたいことが無い方へ。ケンブリッジ大学に行けば、好きなことを仕事に出来る可能性がかなり高まることだけ伝えておこう。学歴は、パスポートのようなものである。信頼性の高いパスポートを持っていれば色んな国に行けるように、高学歴というパスポートを持っていれば、色んな職に就ける。
それでは、「上の下」レベルのパスポートを取得した文系の私が、どのようなIB生活を送ってきたか、選んだクラスを交え、紹介する。
なお、IBのクラスを受けていた時の精神的ストレスの話は以下を参考にしていただければと思う。
IBを勉強すること、とは
さて、IBの取得コースを説明する前に、IBについて少し紹介する…つもりだったが、以下の方が参考になるであろう。
IB(国際バカロレア)とは?しくみ、科目選択、大学受験について解説します!
【IB科目選択】でお悩みの方必見!ルールや実際の科目を紹介
ここでは、実際に体験したことにフォーカスして紹介することとする。
体験談の前提として、中学から数学に苦手意識があったわたしは、ゴリゴリの文系である。よって、選択する科目も文系科目を意識した。
文系がIBの科目で一番苦労する科目は、Math (HL)とPhysics、Chemistryと言われている。帰国子女は元々文系よりの人が多いので、苦労した科目の中心は理系科目なのかも知れない。
そもそも、文理問わず、高校レベルの数学や物理を習う際に、新しい単語を覚えるのは、とてもストレスが掛かる。知識ゼロで読む物理の教科書は、本当にストレスが溜まる。教科書を読んでも、さっぱり意味が分からないのだから。
「contradiction」という単語が分からない場合、予め日本語で「矛盾」の意味を理解していれば「なるほどな」と理解できるが、「Particle Physics」という英語を調べたとき、「物質の最も基本的な構成要素である素粒子とその運動法則を研究対象とする物理学の一分野」と日本語の説明が出てきたら、意味が分からずイライラしてしまう。
結局「Particle」ってなんやねん、となる。Particleと調べると、「粒子、微量、微粒子、小さいもの、少量、極少」と和訳され、何とかParticle=素粒子と辿り着いても、素粒子を調べると良く分からない説明が出てきて、その意味を調べる…。予備知識が無い状態でPhysicsを学ぶには、これを繰り返す根気が必要である。
そんなことを繰り返していると、particleを「the least possible amount」と英英辞書で調べて理解した方が早いことに気付く。「素粒子」という日本語を無視するのである。しかし、もし日本の大学へ進学を希望しているのなら、しっかりと日本語でも理解しておく必要がある。物理に限らず、理系科目で習う単語は全て日本語でダブルインプットしなければならない。そうでなければ、大学(入試)で困るし、大学に進学後も、困る。
(わたしの妹は小4からインターに通い、MARCHの理系に進学したが、大学で日本語の壁にぶつかった。別途記事にする。)
このようにPhysicsやChemistryに限らず、インターで勉強するということは、上記のような「理解の二度手間(イライラ)」が頻繁に発生する為、通常の勉強時間の倍の時間を要する可能性もある。一度単語を覚えてしまえば良いと思うかも知れないが、単語を覚えることが目的ではなく、単語の意味を理解して、更に物理現象を理解することが求められるのである。
これが全教科で発生するのだから、やはりIBは侮れない。
既に理解している現象や学問を単に英語で勉強するのはまだ、できる。知らない現象や学問を英語で勉強するのが大変なのである。保護者の方は、そのことを理解していただき、温かい目で見守ってほしい。
さて、気持ちよく当時の愚痴を書いたところで、本題に移ることとする。インター在学中に後悔したことについて、である。
まず、私が選択した科目から紹介する。
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