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IB (International Baccalaureate) 経験談

今回は、世界のインターナショナルスクール(以降、インター)の多くで採用されている教育プログラム、IB (International Baccalaureate)の経験について紹介する。

プログラムの内容は別のサイトで詳しく紹介されているため、「インター編入~IB開始まで」から読んでいただければと思う。なおここでは、主に経験談や当時の想いを中心に、主観的に書いていく。

IBとは

はじめに、IBとはグローバル化に対応できるスキルを身に付けた人材を育成するための教育プログラムである。3歳から19歳までのプログラムに細分化されるのだが、今回は、大学入試に必要となるDP (Diploma Programme)の2年間をIBと呼び、紹介する。

IBは高2から2年間の指定のカリキュラムを履修後、所定の成績をおさめると国際バカロレア資格(IB Diploma)として取得でき、帰国子女枠入試の募集要項の1つとなる。

IBの科目

第二外国語、生物等の自然科学、経済や歴史の人文社会系のさまざまな科目の中から6科目を自分で選択し、12年生の最後に各科目7点満点で評価される。

それに加えて、自分で設定したテーマで書く論文“Extended Essay (EE)”や、哲学のような内容の小論文&プレゼンをする”Theory of Knowledge (TOK)”や課外授業を行い、3点が貰える。

6科目の42点+3点の合計45点満点で採点され、内申点のインター版と理解いただければ良いと思う。

IBのチカラ

IBの内申点だけでなく課外活動等も重要であるが、IBの内申点が高ければケンブリッジ大学やハーバード大学など、世界トップレベルの大学への道も開ける

文武両道の人格者で、男も惚れるようなイケメンの友人がいたのだが、彼はIBの45点満点を引っ提げ、ケンブリッジ大学へ進学した。IBで高得点を取るような人物は、世界トップレベルの大学に合格する素質を持った人であると言える。

IBの教育プログラムに関しては、こちらが参考になる。

以下のサイトでは科目内訳など、とても分かりやすくIBを紹介している。


インター編入~IB開始まで

IB経験談の前に、わたしの当時の学力について説明しておく。
わたしは中3まで日本の教育を受けていたので、英語力は一般的な中3レベルである。中3の夏頃に英検準2級に合格したので、英語は少し得意な方だった。

その英語レベルで、インターの10年生(日本の高1)に進学を試みたが、英語力が不十分、という理由で9年生からのスタートとなった。ESL(母国語を英語としない生徒の為の英語授業)などを通して英語を学び、11年生からIBの経験をスタートさせた。

インター1年目(9年生)のはじめは、英語を聞くこと自体に集中力が必要なため、とにかく頭が疲れる。TOEICのリスニングテストをずっと受け続けているようなものだ。帰宅したらまず寝るが、膨大な宿題(今思えば大したことの無い量)が毎回あるので、夕食後に宿題を片付ける必要がある。

2年目(編入のため実質1.5年目)では徐々にインターの生活に慣れ、ESLの韓国人の友人とは仲良くなる。しかし、未だネイティブの友人とのコミュニケーションはハードルが高かった。

たしか2年目の後半に、英語で夢を見た。ようやく頭が英語脳に切り替わったのだと自覚し、興奮したのを鮮明に覚えている。

IB開始

IBの1年目はそこまで危機感が無かったので、ダラダラと過ごしながら、徐々に難しくなる勉強に焦りを感じていた。宿題は今まで通り出されるが、慣れが災いし、必死に取り組まず、適当にこなす回数が増えた。

IBの2年目では完全にストレス生活を送ることになった。最終試験が難しいことを認識していたので、それに加えて課題の点数が悪ければIBを取得できないのではと焦り、課題の提出期限前になると、毎日深夜まで課題に取り組んでいた。

16時に帰宅し、19時まで寝て、夕食を挟んで深夜2時や3時まで勉強することは珍しくなかった。「16時から勉強しろよ」と思うかも知れないが、8時半頃から1限目を受け、16時に帰宅してから寝ずに22時まで勉強する体力は無かった。どうしても、夕食前まで寝かせて欲しかった。

平日に不規則な生活を送っているため、週末に18時間ほど寝ることも珍しくなかった。(高校生は、よく寝る)

12年生になると、日常会話程度の英語なら楽勝で聞き取れるレベルに達していたが、英語で微分積分や経済学、英語でスペイン語を学習するのは、わたしのキャパを超えていた。

インターに編入後3年経ったと言えど、日本語で積分の説明をされたところで理解するのは難しいのに、英語で説明されても本当に意味が分からない。

容赦なく積分の課題が出されるのだが、やるしかないので、一旦仮眠を取り、気合を入れなおして取り組む。課題の提出日が被ったら、本当に泣きそうになる。

とにかく、IBの2年目となる12年生は、本当に地獄のような生活を経験した。中学から元々勉強ができる訳ではなかったので、本当に高校留年してしまうかと焦り、苦しかった。特に理系科目は地獄そのものだったので、日本語の本を読んだり、当時流行っていたmixiを書いたり、現実逃避をしながら過ごしていた。

IBのスコア

結果的に、わたしのIBのスコアは30~35点(45点満点)だったと記憶している。

ちなみに日本の大学進学において、35点は平凡な点数だと、わたしは認識している。40点を取ると尊敬に値するレベルであり、42点は世界トップクラスの大学に合格できるレベルだと思っている。東大に合格する人は、IBで40点以上取っているだろうな、と思う。

IBは、何とかなる

IBは泣きたくなるほど辛いが、それでも何とかなるから不思議だ。インターで、卒業できずに中退した知り合いは居ない。みんなが何とか卒業しているのである。

わたしがこれだけ苦労したのに、友人はケロっとしているのは、わたしが相当バカだったのだろうな、と思う。いや、友人らは影で努力しているはずだ。IBは、間違いなく苦労する。勉強していないIB取得者などいないと断言できる。

贈る言葉

IBをやろうか悩んでいる諸君。
強制はしないが、挑戦しようぜ。俺でもできた。
(一次方程式でつまづいたことがあるこの俺が、だ)

IBをやり通せば、その後の人生は楽勝だ。大学の卒論、会社の残業、飲み会後の仕事・・・。全てがIBの経験ほど苦しくない。

IB生の保護者の皆様。IBをやっている、反抗期真っ只中の、外国人に囲まれて生活しているお子さんには、少し優しくしてあげてください。

noteの使い方をマスターしていませんが、コメントで相談していただければ、わたしの経験で良ければオープンに話しますのでお気軽にコメントください。

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