【リーンウィズで速くなる!? 《全20回》】その12 ブレーキの引きずり
ブレーキを引きずるテクニック
これまでは、コーナーの進入時に『ブレーキレバーをスイッと離す』と説明してきましたが、その方法だと一次旋回を発揮する時間が短すぎて、大きなRのコーナーではクリッピングポイントにつけないことがあります。
そこで今回は、『ブレーキを引きずる』というテクニックを紹介します。
まずコーナー手前の直線部分でブレーキングをしますが、その時に完全にコーナーを曲がり切れる速度まで落とすのではなく、少しだけ速いと感じるスピードまで減速します。
次に、倒し込みたいポイントまで来たら、レバーをパッとリリースしてしまわずに、バイクを倒しこんでいくに従ってレバーを握る力を徐々に緩め、ブレーキを引きずったままクリッピングポイントに向かっていきます。
ですがバイクが深くバンクしている際に、あまり強くブレーキをかけていると、フロントタイヤへの負担が増え過ぎて滑ってしまう可能性があります。
ですので、ブレーキを引きずる時の感覚は “減速” というレベルではなく『ブレーキディスクにブレーキパッドを当てている』というぐらいの気持ちで行います。
コーナーの手前でフルブレーキングして
徐々に指の力をゆるめながらクリッピングへ
クリッピングポイント付近で完全にリリース
フロント側に荷重を残すため
これはフロントブレーキをかけたことによって沈んだフロントフォークを、沈めたままにしておくために必要なテクニックです。
コーナーに入る手前でブレーキレバーをパッと離してしまうと、フロントフォークがスッと伸びてしまい、コーナーの進入でバイクを寝かしづらくなってしまいます。
(Rが小さいコーナーになるほどブレーキレバーを完全に離すまでの時間は早くなりますが、それでもジワッと離すのを心がけることが大切です)
なお、ブレーキング時に体を起こした姿勢からバイクを寝かせようとすると、フロントの荷重が減っているため、どうしてもフロントタイヤの接地感が不足しているように感じます。
このような場合、フロントブレーキを引きずることで、フロント側に荷重を残すことができ、フロントフォークが沈んでタイヤを路面に強く押し付ける力となって働くため、接地感が向上します。
ブレーキレバーの調整
ブレーキレバーの遠さに関して、普段はあまり意識をしていないかもしれませんが、繊細なブレーキングを行うためにはブレーキレバーの調整が大事です。
おすすめは、中指の第一関節がかかるような位置に調整することです。
これより遠いと咄嗟の時に指が届きにくくなり、これより近いと握りやすくはなるのですが、その分、微妙にリリース量を調整するのが難しくなってしまうからです。
レバーの調整についても自分なりのこだわりを持ち、いろいろと試してみてください。