
【リーンウィズで速くなる!? 《全20回》】その14 タンデムランのコツ
楽しいタンデムランのために
高速道路のタンデムラン解禁やコロナ禍などの影響もあってか、最近は彼女や奥さん、友人、お子さんなどを後ろに乗せて走る姿がよく見られます。
ですが、タンデムランというのは、通常のライディングよりもはるかに難易度が高いものです。
タンデムランの時、後ろのライダーが一番危険なのは、発進や急ブレーキの時です。
運転するライダーは、自分が操作しているので次にバイクがどう動くか分かっていますが、後ろに乗っているライダーは次にどう動くかがわからないので、反応が必ず遅れます。
また、走り出す前には『コーナーでバイクが傾いた時、絶対に反対側へ体を起こさないで』ということを伝えておいた方が良いです
バイクが傾くことに慣れていない人は恐怖心もあって、傾くとつい反射的に体を起こそうとします。
こうなると運転しているライダーは、バイクを寝かそうとしても寝ない、寝てるのに曲がらないという状態になってすごく怖いです。
『バイクの傾きに合わせて一緒に傾いて』と伝えておきましょう。
インカムを活用する
最近ではインカムを使用するライダーが多くなってきましたが、タンデムランの時にこそ、最も必要な装備だと言えます。
信号待ちから発進をする前、交差点や一旦停止で止まる前、また前方の路面に段差を見つけたときや、コーナー手前で減速を始める直前など、できる限りの情報を伝えていくことで、後ろに乗るライダーもバイクの次の挙動に備えることができます。タンデムランでは二人の協力によって、より安定したコーナリングを実現することができます。
後ろに乗っているのは、あなたにとって大切な人だと思います。
自分の装備だけでなく、タンデムライダーの装備にも注意してあげてください。万一転倒した場合は、自分自身と同じか、それ以上のダメージを負うはずです。ヘルメットとグローブ、長袖と長ズボン(できれば防護パッドを備えたもの)、靴はくるぶしまでガードしている頑丈なタイプのものを勧めてあげてください。
バイクに慣れていない同乗者は、暑さや寒さに関してもバイク独特の感覚が分からないと思うので、適切なアドバイスをしてあげましょう。できれば操縦するライダーと同等の装備が望ましいです。
タンデムライダー用の取っ手
最近のバイクは、タンデムシートが薄かったり、座面が小さくて固かったり、しっかりとしたグラブバーを備えていない等、ややタンデムには不向きなタイプのものが増えてきました。特にグラブバーの無いバイクでは、タンデムライダーは驚くほど掴まる場所が無く、困惑してしまうでしょう。
こんなときは、前のライダーに掴まる以外に無いわけですが、腰に手を回すには遠すぎる場合も多いため、前のライダーのポケットやジャケットの脇腹付近をギュッと掴むしかありません。これでは不安定で怖いですし、また握力がすぐ限界になってしまって楽しむどころではありません。
最近では写真のように、前のライダーがお腹に装着するタンデムライダー用の取っ手もありますので、安全と安心のためにもぜひ購入を検討してください。
ライダーは後ろの人の命を預かっています。一人の時よりもさらに慎重に、落ち着いて、安全に走行することを心がけてください。
いいなと思ったら応援しよう!
