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【リーンウィズで速くなる!? 《全20回》】その5 コーナリングのきっかけとしてのブレーキング
コーナリングのきっかけを作る
ブレーキングのもう一つの役割は『コーナリングのきっかけを作る』ことです。
ブレーキをかけるとフロント側に荷重が移って、フロントフォークが縮むためキャスター角(路面に対するフロントフォークの角度)が立ち、バイクが倒し込みやすいバランスに変化します。
ブレーキングの役割は、コーナーに進入するための目標のスピードまで減速することと、このフロント側が沈んだ姿勢を倒し込み直前まで維持することです。
フルブレーキングのまま倒し込みを開始しようとするポイントまで来たら、そこでスイッとフロントブレーキを離します。フロントブレーキをリリースするとフロントフォークが伸び上がろうとしますので、その一瞬のタイミングに合わせて、イン側のステップに荷重をします。するとコーナーに向かって、スパッと倒し込むことができます。(この時、腕の力を抜いてステアリングをフリーにしておく事が大切です。)
このようにフロントブレーキのリリースと荷重移動のタイミングを合わせて倒し込みのきっかけを作り、コーナーへと進入していくのが一番基本的なコーナリングの方法だと思います。
フロントブレーキをきっかけに使いづらいケース
ですが実際のワインディングでは、下り坂でスロットルを閉じたままコーナーに差し掛かってしまったり、一定のアクセル開度のまま連続したコーナーを走っている場合など、フロントブレーキをきっかけにしづらい場面もあります。
そんな時には、リアブレーキを軽くあてることで、フロント側へ荷重をゆるやかに移して、コーナリングのきっかけにすることもできます。
リアブレーキはコーナリング中に使っても比較的バイクの姿勢変化が少ないので、スピードや前後の荷重配分をコントロールするのに役立ちます。
リアブレーキを使いこなすために
ただし、リアブレーキは手よりもはるかに感覚の鈍い足先で操作しなければなりません。またライディングシューズやブーツは普通の靴よりも頑丈な分堅めに作られているため、ブレーキペダルを踏んだ感触も感じにくくなっています。
普段の街乗りの時から、リアブレーキの繊細なあて方を練習しておくことをオススメします。
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