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静電気を除電するメリット(除電チューニング)
除電のメリットを知るためのポイントは3つ。
①なぜ静電気は発生するのか?
②“何”によく帯電するのか?
③帯電するとどうなるのか?
①なぜ静電気は発生するのか?
原子の中にある電子はマイナスの電荷を持っており、通常はプラスとマイナスのバランスが取れていますが、物体同士の摩擦(接触、剥離)によって電子が一方の物体に移動することで電荷の偏りが起こり、一方はプラス、もう一方はマイナスの電気を帯びます。このようにして静電気は発生します。
プラスに帯電した物とマイナスに帯電した物はお互いに引き合う性質があります。
下敷で頭を擦った時に髪がくっつく現象や、セーターが脱ぎにくくなるのは、下敷と髪の毛、セーターとインナー素材のそれぞれにプラスとマイナスの静電気が帯電したためです。
また静電気の帯電は原則として、摩擦の速さや強さ、接触面積の大きさや摩擦回数などにより増加します。
②”何”によく帯電するのか?
物質には、電気をよく通す導体(電気伝導体、導電体)と電気を通しにくい絶縁体、そしてその中間の半導体(ここでは詳しい説明は割愛します)があります。
導体は主に鉄やアルミなどの金属、絶縁体はゴム、プラスチック、油などがその代表です。
絶縁体は電気を通しにくいが故に電荷の偏りを保ちやすい、つまり帯電しやすいという性質を持っています。
③帯電するとどうなるのか?
帯電している物質同士が引き合って動きが妨げられるのなら、タイヤに帯電すればコンパウンドの柔軟性が損なわれ路面を捉えるグリップ力の低下、エンジンオイルに帯電すれば摺動や回転の抵抗が増加する事態が想像できます。
エンジンオイルを交換した後バイクに乗ると『あれ?なんかスムーズですごく乗りやすくなった?』と感じたりするものですが、しばらく走るとすぐ元の感覚に戻るので『やっぱり気のせいかな』とこれまでは思っていました。
しかし今は、オイルの帯電などほんの短時間で発生してしまうからなのだろうと考えています。
カワサキZXR400RRでレースをしていた頃に“純正オイル最強説”というのを聞いた事があります。
『高いオイルを入れるよりも、純正オイルを一走行毎に入れ替える方が良い』という話でしたが、それも静電気対策を含んでいるのだとしたら頷ける話です。
ドライブチェーンにしても、100本前後のピンそれぞれにゴムのシールが入っており、加えてチェーンオイルにまで帯電しているのなら、それらが走りに与える影響は計り知れないでしょう。
静電気は除電しなければならない。
あなたのバイクの本当の力は、きっとそんなものじゃないはずです。
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