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奈良の世界遺産 小辺路 果無集落
奈良県は縦長の形をしていて、その南側の部分は半分以上が山です。
奈良市内から1時間ほど走れば、すぐに標高は1000mを超え、バイクで走るにはうってつけのワインディングロードが待っています。
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《Googleマップより 『奈良県』と書いてるあたりから下はぜんぶ山です》
奈良県の世界遺産
奈良県には、「法隆寺地域の仏教建造物」「古都奈良の文化財」「紀伊山地の霊場と参詣道」という3つの世界遺産があります。
この内2つは北部の市街地に位置しています。ですので、もしもバイクで行くのであれば、2004年に登録された『熊野参詣道 ”小辺路”果無集落』(くまのさんけいどう“こへち”はてなししゅうらく)で決まりです。
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《十津川村 果無集落》
以下、奈良県歴史文化資源データベース“いかすなら”より抜粋して引用します。
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世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」
奈良県と三重県、和歌山県にまたがる世界遺産で、「吉野・大峯」「熊野三山」「高野山」の三つの霊場と、それらを結ぶ「大峯奥駈道」「熊野参詣道」「高野参詣道」の参詣道が含まれます。
このうち、奈良県には霊場「吉野・大峯」と、大峯奥駈道、熊野参詣道のひとつ小辺路(こへち)が所在します。
霊場「吉野・大峯」は、紀伊山地の最北端にあり、吉野山、吉野水分神社、金峯神社、金峯山寺、吉水神社、大峰山寺で構成されます。標高千数百メートルの山々が続く修験道の聖地であり、10世紀の中頃には日本第一の霊場として信仰を集めるようになりました。
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十津川村へ
奈良県の南部は、かなりの面積を十津川村が占めています。(ちなみに十津川村は日本一大きな村です)その十津川村の中でも最も南の端、ほぼ和歌山との県境に果無集落はあります。
十津川村へのメインルートとなるのは国道168号線。起点となる五條市の国道24号線『本陣』交差点は、京奈和自動車道の五條ICからすぐなのでアクセスは非常に良好。
国道168号線に入ってからは山間部をひたすら走っていきますが、昔と違って今はトンネルや橋、道路拡幅の工事などが進んでいて、結構快適に駆け抜けられます。
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《手前:ツーリング仲間の園さんのXSR900 奥:僕の相棒XJR1300》
山も川も空もとても綺麗で走っているだけでも気持ちいい。
ただ、狭くて暗くて長いトンネルがちょっと怖い。そしてそのトンネルの前後がなぜか直角に曲がっているレイアウトが多いのでスピードには充分ご注意を。
約2時間半で『道の駅 十津川郷』に到着。途中、休憩スポットや食べ物屋さんが本当に少ないので、ここはぜひ寄りましょう。2階には美味しいお蕎麦屋さんもあります。
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果無集落
道の駅からさらに30分ほど行くと、大きな赤い橋がかかっていて、橋を渡ったらすぐ右手の細い道を入ります。
そのまま崖沿いの細くて、くねくねした一本道をどんどんどんどん登って行くと、頂上付近に綺麗なトイレが出現。
その脇にバイクを停め、そこからは徒歩。『天空の郷』とも呼ばれる果無集落に到着です。
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奥へ進むと、軒先でご夫婦が味噌を作っておられました。
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水がほんとに綺麗。中には大きな魚が。
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理屈じゃなく、行くだけで感動します。世界でたった2つしかない“道の世界遺産” 熊野参詣道 小辺路。ぜひ訪れてみてください。
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もう一つの“道の世界遺産”
ちなみにもう1つの道の世界遺産は、フランスとスペインに跨る『サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路』です。
「道が世界遺産になるというのはどういうことかな?」と最初は不思議に思いました。
ですが、人々の信仰心によって、永きに渡って辿られ続けた道には、その想いや行動が作り出す神聖な何かがある、と行ってみてわかりました。
そしてこちらも、奈良にある道の世界遺産『大峯奥駈道』。その大峯山に登った時の記事もよければご覧ください↓
note大学の特別企画『世界遺産を語ろう!』に参加しています。詳しくは↓
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