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ライディングの正解とは

バイクライディングの正解を見つけることは、決して容易なことではない。

たとえば、どんなライディングの教科書にも載っている『スロットルは野球のバットや剣道の竹刀のように、小指から順に巻きつけるようにして握ると軽く握ることができる』というテクニックの解説。

どの本にも“間違いのない基本”として載っているので今までこれを信じてやってきたが、どうしても左コーナーで右手がスロットルに届かなくなってしまい右のハンドルを引くことになるため、自然にハンドルが左に切れるセルフステアを阻害していた。

これを防ぐために、リーンアウト気味のフォームをとったり、上半身を伏せたりして対処していたが、それでは自分が理想とする『リーンウィズで上半身を起こして後輪の接地点に荷重をかける』というライディングを実現することができなかった。

様々な試行錯誤を重ねた結果、スロットルは親指・人差し指・中指の指先を使ってつまむように捻るというテクニックに辿り着く。

よく考えてみれば、バイクのグリップは常に力を抜いて、フワッと握らなければならないもの。バットや竹刀のようにインパクトの瞬間に力を入れるために軽く握るというのとは目的が大きく違う。

なのにこれまでは、『他の握る系の道具と同じように』という説明に少しも疑問を感じずにいた。

グリップを3本の指で握るようになってからは、セルフステアの動きを邪魔することなくスロットルの操作ができるようになった。

正直なところ、この“誰かが言っている基本”のおかげで30年も遠廻りをしてしまった。ライディングの正解を見つけることは困難で遠い道のりなのだとつくづく思う。

ちなみに三本指だけでスロットルを開けようとすると、若干操作が不安定になり不意に加速し過ぎてしまうこともあるため、薬指をバーエンドにかけるようにして固定すると操作が安定する。

しかしながらこのテクニックも、万人にとって正しいとは限らない。

果てしないトライ&エラーを繰り返して、あなたも自分だけの正解を見つけ出してみてほしい。

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奥本雅史@二輪ライディングアドバイザー
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