笑うバロック展(111) コレッリ ヴァイオリン・ソナタ集(作品5)

コレッリ ヴァイオリン・ソナタ集(作品5)
よく聞く伝説では、コレッリは亡くなる前に残す(現存する)曲を自ら選び、後は焼却してしまった、というものです。その逸話だけでもかなりロマンチックなのに、バロック時代の作曲家にしては異例なヴァイオリンをメインに器楽しか残さず、しかも異例な寡作家でした。後代から観ても、かなりの完璧主義者といえそうです。録音もずいぶん増えましたが、下記にあるような鬼気迫る常軌を逸するギリギリの演奏はあまりありません。また古楽の流行によって、妙に「聖典」化してしまい、なかなかビッグネームが全曲盤をださない時期が続きました。わたしが初めて購入したハゲット盤は、CD時代初期のほぼ最初の(勇気ある)全曲盤と思います。
ということで、興味本位で調べてみました。
なんと作品5の12曲全曲録音は、下記くらいでした。本当に19人しかいないのかしら。
やはりビッグネーム(?)はなし「意気地なし症候群(=クイケン病)」と申しておきましょう。

スタンリー・プルマ― 1967
デーネシュ・コヴァーチュ 1970
エドゥアルド・メルクス 1972 1曲は合奏協奏曲編曲版が収録
ルッジェロ・リッチ 1973
アルチュール・グリュミオー 1975
イェフディ・メニューイン 1980
モニカ・ハゲット 1988-89
エリザベス・ウォルフィッシュ 1990
カルロ・キアラッパ 1994ころ、初のコレルリ全集に含む
ジョン・ホロウェイ 1996
アンドリュー・マンゼ 2001
ステファノ・モンタナーリ 2002
エンリコ・ガッティ 2004
レミ・ボーデ 2005ころ、2つ目のコレルリ全集に含む
ジョヴァンニ・アンジェレーリ 2007
パブロ・ヴェズノシウク 2012 
桐山建志 2012
エンリコ・オノフリ 2015
リナ・トゥルボネ 2016

「肖像画からも判るように、コレツリはたいへん温雅で謙虚な人柄だった。しかし、演奏に入ると情熱が彼を駆り立て、眼は火のように赤く、眼球は苦悶するように動き回り、別人のように見えたと同時代の記録は報じている。」


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