自己紹介のためのコーヒー屋の資格

コーヒーの資格は取得したり、維持するために時間と費用が発生します。
独立開業に必須ではありませんが、基本的な知識や情報が得られ、試験を受けて習得の確認もできます。
小規模に開業する場合、開業はゴールの一つです。が、常に目標を持ち続けるのにこうした資格取得は役立ちます。
反面、手段が目的化してしまうケースもあります。実際、コーヒーの資格は十分に産業化しています。手段として取り組む場合、自らのモチベーションと費用対効果をバランスよく考えます。

小さなコーヒー店を独立開業しようと計画する場合、対面販売の焙煎豆小売店、フルサービスのカフェを想定するなら、胸にバッジが光っているのは悪くないと思います。

SCAJコーヒーマイスター


SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)が主催。
協会員が受講条件。年2回開催。
費用。(入会し、会員を維持する費用)+(コーヒーマイスター養成講座受講)+(実技講習・東京、関西会場で3時間実施のための旅費)+(試験・東京、関西会場で1時間のための旅費)
アドバンスドはコーヒーマイスター資格取得者が受講条件。時間費用は別途。
独立開業のオーナーにとっては、ゴールドのバッジは、サービスの際の自信につながります。自己紹介にも役立ちます。


CQI・Qグレーダー(アラビカとロブスタの2種あり)


アメリカに本部のあるCQI(コーヒークオリティインステュテュート)の資格。養成講座を開催するための認定施設(日本国内に開催場所あり)で、トータル1週間にわたって、「カッピング」訓練と試験の繰り返し。資格取得後3年毎に更新試験あり。費用(講座受講30万円程度)+(旅費交通費)。例えば会場がカリフォルニアなら、アメリカ10日間程度の旅費が必要です。
世界中のコーヒーを集中してカッピングすることは、なかなか機会が得られない経験です。生産地域別に40種類程度「カッピング」を行います。コーヒー生産国に買い付けに行くことが仕事の場合は必要です。
小規模なコーヒー店の事業主オーナーは、訓練を経験することは役立ちますが、資格取得、維持は費用対効果の上から意味が希薄といえます。産業化した資格はまた、狭小な資格者同士のコミュニティを作ることがあり、それが顧客との関係性より優先させる場合が見受けられます。


JCQAコーヒー鑑定士、コーヒーインストラクター

日本国内のコーヒー関連事業者の団体がコーヒー関連事業従事者の基礎力向上のために設置しました。現在は一般に公開された資格制度です。個人資格で一度合格し資格取得すると生涯維持されます。
次のように例えられます。
コーヒー会社の新入社員の研修として入社1年以内に「2級インストラクター」を取得させます。もし既に取得済なら入社に有利と考えます。
係長、課長と昇任を検討するとき、「1級インストラクター」取得済を有利とします。
部長、役員を検討するとき、部署に応じてその分野の「鑑定士マスター」を取得していることを有利とします。原料仕入れ部門なら「生豆鑑定マスター」、製造工場勤務なら「品質管理マスター」、販売営業なら「商品設計マスター」を取得しておくとよい。
コーヒー関連企業内で緊張感をもって勤務し、出世努力する、ために役立っています。
前掲の3つの「鑑定士マスター」をすべて取得して、はれて「JCQAコーヒー鑑定士」です。ただし、JCQAはすべての段階で個人資格としており、「コーヒー鑑定士」の存在は企業組織の外向きの宣伝には目立って使われません。
小規模なコーヒー店としてスタートし、ゆくゆくコーヒー焙煎豆卸業への展開を視野に入れて経営する場合、1級インストラクターや鑑定士マスターの知識や情報が役に立ちます。


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