笑うバロック展(36) 宮崎晴代氏の発見

なんとも大変失礼な本です。この本の著者は「宮崎晴代」氏です。
宮崎氏はオケゲム研究の専門家だったと思います。
ところがこの本は、裏表紙には「本書はそんな無理解と闘って日本に数々のバロック音楽を紹介してきた皆川達夫氏による、本格的でやさしい入門書です。」
挙句序文では「解説文を執筆された宮崎晴代さん(中略)に深く感謝いたします。皆川達夫」と。本当にこんな編集を皆川氏が指示したのだとすれば、いま世間を騒がすレスリングや体操の騒動と変わりません。
大きく「皆川達夫推薦」と掲げればよかったのではないかしら。
70分越えのCD2枚組は立派ですが、ナクソスありきのようでもあり、いやそもそもナクソスの企画なのかもしれません。もっともナクソスもかなりレパートリが充実した後の出版なので、あまり古臭く聴こえません。
第1部がCD収録の30作品の解説。2部は「バロックに輝く楽器たち」として楽器の紹介をしつつ器楽の発展を。3部は「もっと知りたいバロック音楽」として語源、カストラート、タブラチュア、調律、即興などを解説しています。

こうした「図解雑学」シリーズで本が出せるのも、バロックならではかも。

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表紙の絵の選択もおそらく全うだと思います。

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