一般教養 参考資料 テレビドラマの鮮やかな損益計算 「トッカン」VS「三井珈琲」
下記は、ネット検索で拾った「トッカン」第3話(2012年放映)のあらすじです。テレビドラマはセリフまできれいに採録してくれているブログなどもあり、「すごい」といっておきましょう。「すごいヒマ」というと耳が痛いので。
トッカンは最後の方で、自分専用の小型エスプレッソマシンで抽出した普通の濃さのコーヒーをマグで飲みながら、「何が南米コロンビア産高級豆だ、ロブスタ種のくせに。害虫も寄り付かない最悪の豆だぞ。こんなものおれに言わせリャ泥水だ。」「潜入調査するって----」「そんなの決まってる、あの店のコーヒーが不味いからだ」とのたまいます。(ちなみに関東地区ではサントリーとマクドナルドがスポンサーになっています)
具体的には、「お替り割引サービス」の分をレジから抜いて、脱税していました。シンプルなレジスタでなく、「ノートパソコン連動レジ」だから、できる、また原作者が思いついたアイデアかしらね。このパソコン連動レジは、以前から、ある特定のコーヒー店のグループが推奨して、ネットでも活用方法を公開したり、導入サポートをしていました----。原作者は、そのどこかの店の馴染みかもしれません。小売店や飲食店でレジスタを使って売上を抜くのは古典的方法で、確か「マルサの女」にも登場したと記憶しています。
さらに高級アラビカのみの店で、「下の下」の原料で原価をごまかすストーリー、ますますある特定のコーヒー店が浮かびあがります。そこが脱税しているとは思いませんが、ずいぶん意地の悪い作者たちです。
ただ、作者たちが想定したと思しきコーヒー店は、テレビ画面では日本を代表するようなフランチャイズチェーンのごとき内外装の店として登場していました。リアルにやり過ぎるとクレームがつくと思ったのかしら。でも、日本のFCは、経理経営面のノウハウもよくできていますから、とんだトバッチリのイメージダウンというものです。トッカンにあんな具体的でリアルなセリフを吐かせるくらいなら、店のセットももう少し、高級な北欧家具や食器を使用したものにしてもよかったのでは----さすがにフレンチプレスでコーヒーをだせとはいいませんけど。店名はちゃんと「三井珈琲」とすべきでしょう。「マウンテンドール」はちょっと失礼と思います。「三井珈琲」なら「今度2号店が出るのだとか」に近いですが、「マウンテンドール」って、あなた、あきらかに「マウカメドウズ+ドトール」と「ブルーマウンテン」や「金ドール」の合わせモジリからつけたような感じです。
潜入調査の結果報告シーン。
客単価500円、来客数150人。日商75000円。30日で月225万円。
新富町の1階90平米。駅から徒歩5分圏の家賃相場50万円。
材料費、売上3割68万円。人件費、アルバイト3人シフト65万円。ホットコーヒーを売るために強めの冷房で夏場の電気代17万円。ガス代3万円。そのほか法定福利費、消耗品代などで「間違いなく赤字だ、おかしいだろ」とも。
[あらすじ]
「マウンテンドール・カフェ」という店が脱税している疑いがあると、鏡が自らこの案件を調査したいと言い出したのだ。調査部の仕事を何故「徴収」がするのか？だがこの店、赤字計上されている店なのに、今度2号店が出るのだとか。システムエンジニアとして働いていた三井は脱サラして5年前にカフェをオープンしたという。そこで短大生を装い客の数、オーダー数などを調べるという地道な作業をすることになった鈴宮。おかわりしまくりのコーヒーでおなかいっぱい状態。だが、どう計算しても赤字経営にしかならないのだ。これはおかしい。更に、日中席をあけた三井はどこかへ行っていたよう。そして、店が閉まる頃、売り上げ計算しに戻ってきたようで･･･。鏡にはその時間どこへ行っているのか探れといわれる。翌日、同じように途中に店を抜け出した三井の後をついていった鈴宮。すると･･･どうやら彼はネイルサロンで働く女性と愛人関係にあるようなのだ。彼女の側に溜め込んだお金が流れているのではないのか？
引き続き調査を進めると、なんと三井の愛人が留学に行くということで、ネイル会社ををやめていたのだ！このままでは金を持ち逃げされてしまう。そこで多少手荒でも、核たる証拠を見つけなければならないと焦る鏡。そこで、先日鈴宮が撮った三井と愛人の写真を三井の妻に暴露。当然修羅場に発展した三井の浮気。愛人宅にまで妻が三井を引っ張って押しかけ、そこへ家宅調査をかけた鍋島たち。裏を掴まなければシラきられる。そこで鈴宮が気づいたのは、コーヒーのおかわりを注文する際に、必ずレジの隣にあるＰＣを操作している姿。システムエンジニアだった彼なら、会計プログラムをいじる事も出来るはず。そこで、税務署員を名乗り、証拠のＰＣを押収しようとした鈴宮だが･･･。ここでようやくトッカン・鏡登場。彼の登場で、ＰＣを押収し、鈴宮が調べた所･･･。やはりおかわり分のコーヒー代のシステム計上を誤魔化していた証拠が出てきたのだ。更に、コーヒー原価も誤魔化して、領収書を偽造。それを認めた三井。
「決まっている。あの店のコーヒーが不味いからだ」豆の産地まで偽って、下の下なコーヒ－を飲まされたことを根に持っていたよう。