91lirpa1691氏レビューのニューヨークポリフォニー の哀歌
たしかに素晴らしい演奏でした。「哀歌」という分野はなかなか興味深いお宝の鉱脈です。ルネサンスにおいては、デュファイ、ジョスカンになく。バロック期もモンテベルディ、ビバルディ、バッハ、ヘンデルになく。反対にタリス、ビクトリア、パレストリーナ、ラッススは避けて通れぬ、同様フランスバロック、ドレスデン宮廷、ナポリ楽派は外せません。ここ数年のルネサンスポリフォニーの録音は質が高いと感じます。ちょっといやらしい言い方になりますが、ヒリアード、タリススコラーズあたりの呪縛が薄らいできた、という感じでしょうか。演奏グループのレパートリ、プログラム開発とあわせて、「エンドビギニング」とはうまく命名したもの、と。
フランシスコ・デ・ペニャローサ: エレミアの哀歌
ニューヨーク・ポリフォニー
【曲目】
(1)フランシスコ・デ・ペニャローサ(1470-1528):聖金曜日のためのエレミアの哀歌
(2)ペドロ・デ・エスコバル(c.1465-1535):スターバト・マーテル・ドローローサ
(3)ペニャローサ:聖土曜日のためのエレミアの哀歌
(4)ペニャローサ:「天のいと高きところには神に栄光あれ」~ミサ曲『武装した人』より
(5)ペニャローサ:「聖マリア、哀れな者たちを助けに急ぎ来てください」
(6)ペニャローサ:「ユニカ・エスト・コロンバ・メア・アヴェ」
(7)ペニャローサ:「我は信ず、唯一の神」~ミサ曲『武装した人』より
(8)フランシスコ・ゲレーロ(1528-1599):「それは誰か」
(9)ゲレーロ:「Antes que comais a Dios」
(10)ペニャローサ:「神の子羊」~ミサ曲『武装した人』より
ニューヨーク・ポリフォニー
[ジェフリー・ウィリアムズ(カウンターテナー)、
スティーヴン・カルディコット・ウィルソン(テノール)、
クリストファー・ディラン・ハーバート(バリトン)、
クレイグ・フィリップス(バス)]
2018年6月/プリンストン・アビー(ニュージャージー)
印象的なカバーのBIS1枚目「エンドビギニング」、その中のクレキヨンの哀歌も素晴らしいものでした。ヘブライアルファベットが不思議な音の組み合わせ。もちろんブリュメルのレクイエムも素晴らしいです。「怒りの日」よくわかります。