笑うバロック展(437) 6つのテーマによる、6人のチェリストのための、無伴奏チェロ組曲(2021版)
この2年間ほどで、古楽ものだけでこれだけ。偉大すぎて大笑いです。買っておいても損はない、と思わせる魅力があるのでしょう。「古楽」ではバイオリニストたちの進出が目立ちます。タニクリフ、ポッジャー、スワルツ、ヴァルガ、ガリジョーニ、バディアロフ。「女流」実は古くから続く大きな潮流だと思います。ウェバー、セバスティアン、ホマ、ヤマヒロ・ブリンクマン、ベルトラン、ワイラーシュタイン。「日本」カサド、レッサー、フルニエ、ローゼン、カンタ、スタンツェライト。「大家」は、なかなか再発見の検索旅でした。ネット時代にCD録音がない演奏家も含めました。ロストロポービチ1955、シュミット1957、ヴェンツィンガー1961、アーノンクール1965、グートマン、コワン。「編曲」は日本人の活躍が目立ちます。執念に近い意欲の塊。フェアブリュッヘン、山下和仁、清水靖晃、世界の今井信子、ジョフロワ、リニョル。「プログラム」ヨーヨーマ、ベルガー、ペレーニ、ラーデマーカース、ヴァッリ、上森祥平。今回は、このくらいで「6×6」組曲としましょう。もちろん全部は聴いていません。
ちなみにこの中で聴き始めると傾聴してしまうのは----「大家」に選んだ6人でした。様々な意味で驚かされたのは、シュミット、フェアブリュッヘン、清水靖晃、マと玉三郎、そして上森祥平の9曲ライブ。
1「古楽」
「無伴奏チェロ組曲」は6曲すべてが異なる調性で書かれています。ハ長調、ト長調といったチェロで弾きやすい調性もあれば、変ホ長調のように技術的に難しい調性も登場します。そのため第5番は変則調弦が取り入れられ、第6番では5弦のヴィオロンチェロ・ピッコロが使用されました。バッハがそこまでしたのは、調性ごとの性格を描き分け、喜び、悲しみ、華麗さ、素朴さ、陽気さ、憂鬱…といったあらゆる人間の感情を表現しようと試みたからと考えられます。ルシア・スヴァルツ
2「女流」
3「日本」
4「大家」
カザルス盤、初録音、全曲がそもそも偉業かも。「片面4分半で全曲録音」。無謀とも言えます。いったい誰が企画したのでしょう。ぜんたい誰が購入したのでしょう。「1957年のLP化」も気になります。LPの始まった時代に全曲録音は頻出します。演奏家ひとりですみますから、費用的問題もあったかもしれません。
カザルスは1904年に初めて公開演奏を行い、1936年に世界初「バッハ無伴奏チェロ組曲全曲」レコードがカザルスの演奏により企画(当時SPレコード片面の収録時間は約4分半)、SPレコードの組物として2曲ずつ3巻に分けて、分厚いアルバムに収めて発売。戦後1957年に初めてLP化が行われ----
5「編曲」
6「プログラム」