コチシュの指揮するブラームス

コチシュがブラームスの協奏曲を弾いていないか検索していて、ブラームスの変ロ長調ピアノ協奏曲(ブダペスト初演)----の指揮を、ピアノは幼馴染のラーンキ----なのですが、大変素晴らしい演奏を聴かせていただきました。亡くなる2年前2014年の。
ハフの録音の変ロ長調が、ニ短調と比較していまひとつ何度も聴き返せずにいたところ、この動画は聴き返すように。
コチシュの指揮姿はオケとよく合っていて、視覚的にわかりやすいだけかもしれませんが、オケがコチシュに従っている印象です。ラーンキのピアノも歯切れよく、ハンガリーの人は表情を変えずサクサク演奏してしまう感じ。
齢と共に進む道が変わっていき、連弾していたふたりが連弾するかのように独奏と指揮に分かれて、ロマン派の大曲をロマンチックに。
この人たちの演奏を「見る」ほどに、改めて音楽は「聴かせる」ものと思いました。

2010年のコンサート録画では、ハイドンの交響曲、モーツァルトのクラリネット協奏曲のあと、後半はブラームスのヘ長調交響曲。
これがまたサッササッサと進める指揮。第3楽章のポコアレグレットも5分10秒ほど。味気なくなりそうですが、ゆっくりたっぷりじっくり深くがロマンチックかというと、いやそうでもない。くるくるとワルツを踊るようなのも、少し刹那的に聴こえます。

そういえば、コチシュの息子さんだと思うだけれど、若いクリスチャン・コチシュもコンクールか何かで、ブラームスを弾いていて硬い重い音はほとんどない感じで好感。
それにしても、もうひとり、謎のクリスチャン・コチシュが検索ででてくるのですが----同一人物には見えません、誰かしら。


いいなと思ったら応援しよう!