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クレーマークレーマー

「全然旨くできないんだよ!!
どう責任とってくれんだ!!
旨くできなくて捨てた商品の賠償してよ!!
営業にも差し障りが出てるから営業補償もしてよ!!
旨くできないんだったら詐欺じゃないか!!
経験と勘にたよらないって何なんだよ!!
大金払ってまともに旨いものができない機械ってのは何だ!!
金とって何にも教えねえセミナーなんか開きやがって!!
きちっと旨くできるデータってのを出してみろよ!!
もともと旨くできない機械を売りつけやがって!!
旨く作れるようにしろよ!!」

お客様の機械はモータが動かないとか、電気が付かないとかですか。
保証期間は過ぎておりますので、修理依頼ですと見積もり差し上げることになります。
お客様のおっしゃっていることはさっぱり要領を得ません。
補償期間外ですので、厚意で検査に伺うと申しております。ところが、休業するから補償せよとおっしゃる。旨くできないので捨てたから補償せよと、その前に味見させてほしいといえば、もう捨てた、と。
お客様のおっしゃる旨いものが何を指すのかもわかりかねます。
もしかしたら本当に故障しているかもしれませんが、営業補償しろといわれては、到底予備検査にも伺えません。
そもそも全く技術習得もせずに機械だけあれば何とかなると思うのはいかがでしょう。もちろんこちらも商売ですから、仮に免許がなくても機械をお売りはします。ですから、納品の時に免許取得にあたる学習の継続を促したはずです。ですが、お客様は一度も来られませんでした。
熱心な方は積極的に押しかけてきても勉強に来られるものです。ネット上の書き込みを見ますとお客様はこの3年間、順風満帆で過ごされていました。突然旨くできなくなったのを、機械のせいにされるのはお門違いかと思われます。

「ニュートラルで旨くできなきゃおかしいだろ!!」
ニュートラルって何ですか?
「おいおいそうきたか!!」
中立で偏らないということでしょう。自動車ならギアが外れてエンジンが空回りして動かない状態のことで。それで何か美味しくできるのですか。
「何知っててごまかしてんだよ!!800でニュートラルにならなきゃおかしいんだろ!!」
ニュートラルなら美味しくできるのですか?
「お前たちが嘘のニュートラルを教えるからこっちが試行錯誤がいるんだろ!!それで捨てた分補償しろよ!!」

調理でニュートラルっていわれても、ニュートラルで検索するといきなり、軽井沢のバス事故の記事がでてきました。
「---- 長野県軽井沢町のバス転落で、県警が検証した事故車両のギアがニュートラルの状態だったことが21日、捜査関係者への取材で分かった。ニュートラルの場合はエンジンブレーキが利かないことから、下り坂でスピードが上がって制御できなくなった疑いがある。県警は運転手がギアの操作を誤って事故につながった可能性があるとみて調べている。
 県警は19日と20日に事故車両を検証した。捜査関係者によると、ギアはニュートラルだった。事故直前も同様の状態だった可能性が高いという。
 メーカーによると、事故車両の運転席にはフットブレーキと補助ブレーキがあり、補助ブレーキを使うと強力なエンジンブレーキがかかる仕組み。いずれかを使うとブレーキランプが点灯する。ギアがニュートラルだとエンジンブレーキが利かないため補助ブレーキの効果がなく、ランプもつかない。ギアは6速でマニュアル。変え損なうとニュートラルになる。
 監視カメラの映像ではランプが点灯していた。県警は、ギア操作を誤ってニュートラルになったままで、フットブレーキを使ったものの車体を制御できなくなった可能性があるとみてギアやブレーキを精査している。----」

ニュートラルでないと旨くならない?全く理解できません。
誰かそんな内容のことをノタマッテいるのかしら。もしその言葉を使っている人がいて、その人から何某か習ったなら、文句はその言葉で教えてくれた本当の師匠に向けてほしい。買った機械の「ニュートラル」という意味不明の設定ができないから、元々瑕疵があるなんて論理は常軌を逸しています。大体「下り坂でスピードが上がって制御できなく」なると美味しくできるものって----そんなあなた。

考えて炊飯のメカニズムで検索すると、「炊飯器のスイッチを入れてから完成まで」が。
下記の6工程で説明されていました。
(1)炊飯器のスイッチを入れると徐々に釜が熱せられていきます。その熱は水に伝わり、温度差によって対流が始まります。
(2)それによってお米も加熱され始めます。加熱が進むとお米の表面のデンプンが溶け出してきます。糊化の始まりです。
(3)水の温度が均等になると対流も止まります。
(4)表面から始まった糊化がお米の内部でも起こり始めます。当然ながら水はどんどんお米に吸収されると共に水蒸気になって外に出て行きます。
(5)水が少なくなってくると釜の中は水蒸気が充満するようになり、十分な水を吸ったお米はふっくらもちもちとしてきます。
(6)釜の底に水分がなくなって、おこげができる直前になると炊飯が完了。美味しいご飯の炊き上がりです。

これに「ニュートラル」の語を当てはめてみます。
(1)の温度差が生じない温度にしか熱せられない状態?のことでしょうか。
そんな加熱が可能かどうかわかりませんが、無駄そうな気がします。
(3)がニュートラルかしら。いずれにしても糊化させるために加熱を続けています。糊化しないくらいの加熱の仕方が可能として、そのご飯は美味しいのでしょうか。
リゾットなら水を足しながら芯が残ったアルデンテを目指します。もしかしたら日本の炊飯されたご飯でなく、リゾットのことをいっていたのでしょうか。
ご飯を炊くにしても、お粥やお強なんてのもあり、今の炊飯器ですとお水の量を調節するようです。飯盒炊飯とて中火から強火、中火とコントロールして----いやいやいずれにしても「ニュートラル」というのは、炊飯に関しては無駄なことをわざわざするような話かと思います。芯が残ったりべちゃべちゃになったりして美味しいとは反対の方向に向かうだけではないのかしら。
もちろん、芯も残らず焦げもせず適切に炊けたごはんの、火加減や調節の仕方を知りたい学びたいということなのでしょうけれど。
機械を介して食べ物を調理する場合、確かに機械の取り扱い方でそうした言葉が使われることはあるのかもしれません。機械を正しく取り扱っていれば、一定の許容範囲で美味しく、または旨くできるのもまあわかります。それでも普通、美味しく、旨くできた、ならそれが再現しやすいように機械の取り扱い上の調整をするものではないのかしら。

クレーマー氏はインターネット上でも喧しく書き込み。
落ち着いて自分の周囲を見回し、自分を支えようとしている周辺の人々と向かい合うべきでしょう。自分がていねいに手作りしている物を、自分で否定するような物言い、せっかくその人を信頼して通ってくるお客様たちに何と説明しているのでしょう。自分が作っている物は騙された結果だ、といっているのと同じです。そんな物言いはお止めになった方がよいと思います。
冷たい水を注ぎ足しながらふっくらご飯を炊く、そんな妄想に捕われて水を吸っただけの米を噛むのはもうお止めになった方がよいしょう。


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