(2017年3月) 偏愛するシャルパンティエ「主を思いだし給え」H.95(聖金曜日の第3のルソン)
イタリア風をイタリア風に。
M.A.Charpentier: Miserere and Other Sacred Works
「マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704):ミゼレーレ&宗教作品集」
【曲目】
前奏曲H.528、ミゼレーレH.157
主を思いだし給えH.95(聖金曜日の第3のルソン)
ドミネ・サルヴムのための前奏曲H.535
主が家を建てられるのでなければH.150
前奏曲H.520、聖母を讃えるアンティフォナH.25
サルヴェ・レジーナのための前奏曲H.23a、ラウダテ・ドミヌムH.159、あなたの保護の下にH.20
【演奏】
アンサンブル・ラポテオーズ(器楽アンサンブル)、アンサンブル・ヴォカーレ・リチェルカーレ(声楽アンサンブル)
【録音】2005年7月
シャルパンティエはカリッシミに学んだので、イタリアの様式を取り入れて作曲とよくいわれます。しかし、いつもイタリア様式とはどんなものなのか、がよくわかりません。シャルパンティエはシャルパンティエじゃないか、と思います。
CDはお気に入りのH.95のみが収録されたもの。きちっと録音されたものは、レーヌ盤、ジュステル盤に続く3例目だと思います。イタリアの演奏家たちが取り上げるのは比較的稀有かも。緊張感があり、声、トラベルソとも音が明瞭で艶があり、つい聴き入ってしまう説得力があります。発音がフランスバロック風ではありませんが、まったく抵抗ありません。やはり何とも言えない魅力を湛えた名曲です。死の床で聴かせてもらえるなら、この上ない。余計なこと言ってないで、頭を垂れて黙って耳を傾けましょう。個人的にはクープランのルソンを凌駕する名曲と思うのですが、録音少ないなあ。
CDは、上声2つのトリオの形式の器楽と、それに2、3、4声を加えた声楽作品の集成。