youtube配信映画の楽しみ

映画製作会社が一斉に期間限定でサービス配信を始めました。もちろん、各社アーカイブスを利用して有料契約をとるための宣伝なのですが、いくつか古めかしい作品を鑑賞。

ひとつは「砂の器」。デューンではありません。若い頃は冗長な作品だと思っていました。映画の舞台設定は昭和45、46年ころ。「やむにやまれぬ」犯罪の物語には惹かれます。近似した時期から物語がはじまる「白夜行」あたりに因縁を感じます。
「砂の器」は演奏会シーンと美しい景観の中を歩く親子のシーンが延々と続くのですが、人物の寄りから引いて周縁の景観を広重の名所旅のように見せます。画面が小さいせいか、映画の景観は平板で奥行きがない絵に見えました。

「砂の器」の冒頭


そして、ルトガー・ハウアー主演の「ブラインド・フューリー」。大映の座頭市シリーズの翻案もの。
カラーになってから座頭市が旅する日本の景観は、改めて鑑賞すると「砂の器」にひけを取らないように思います。座頭市の時代は1年間に2、3本製作の時代。どうしても豊かな日本の四季を旅することになります。
アメリカ版はフロリダ、アリゾナの景観を旅しますが、予算をかけない映画では製作国自体の自然や都会に差がありありとでます。

「ブラインドフューリー」


大映の「ガメラ対ギャオス」も。ああ、これを平成にリメイクしたのだ、と感心。というより、平成版がリメイクしたのは「ガメラ対ギャオス」だけなのです。
旧版なんと物語の冒頭で富士山が噴火しています。ガメラは富士山噴火の協力を得てギャオスを退治します。無茶苦茶ですが、ギャオス対人間も見どころあり。相対する怪獣の生態についても積極的に語っていました。

「ガメラ対ギャオス」

東映は「海賊八幡船」。大川橋蔵主演。橋蔵はあまり好きな役者ではありませんが、彼以外のキャストが豪華絢爛でした。
「RRR」を連想したりしました。とてもかなわないけれど、1961年(昭和36年)公開にしては健闘していませんか。

「海賊八幡船」因島への帰港シーン


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