笑うバロック(647) サムポジションのゴッドファーザー、ランゼッティ [60候補]

久しぶりに収録順の1曲目でパンチをくったかたち。イ短調作品1-9の冒頭なかなか激しいけれど、雑には聴こえません。作品1の2つのイ短調ソナタは他にも録音があります。先達の手堅い仕事のおかげで、アグネシカはよい意味で自由に思い切りよく。

ランゼッティは「カンタービレ」の指示が目立つように思います。ロマン派ではないけれど「アンダンテ・カンタービレ」も作品1-2にあります。もっともわたしが気にしてこなかっただけかもしれませんが。ロマン派が注目されやすいかしら。

チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番(1871) 第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」、ラフマニノフ の「パガニーニの主題による狂詩曲」より、第18変奏「アンダンテ・カンタービレ」、ドライショックの「アンダンテ・カンタービレ Op.7 」、メンデルスゾーンの「アンダンテ・カンタービレ 変ロ長調」

ネット上に「サムポジションのゴッドファーザー」とありました。
アグネシカの第2集はまだでていないみたい。チェロは装飾されたヘッドなので、由緒があるかマチアス・バイイ氏みたいな製作家か。(2017年 Jan Bobak 作。彼女のために特別に作られたイタリアのバロック様式のチェロのコピー)

ランゼッティのチェロ作品はアグネシカで5組か6組目くらい。十分に評価されプログラムとして認められていると思います。


2019年1月イタリア、クレマで録音

ナポリで生まれチェロと作曲を学び、パリやロンドンにも渡り活躍したランツェッティ。作品1として出版された12曲のチェロ・ソナタは、この楽器のために書かれた革新的な作品として伝えられる重要なものです。重音やポジション、親指の位置、ボウイングなど様々な技術的試みを行いながら、イタリア趣味とフランス趣味を組み合わせた創造力豊かな音楽を紡いでゆく、多様性にあふれた曲集。当盤は第1集と題され、半分の6曲が収録されています。ポーランドのチェリスト、アグニェシュカ・オシャンツァによる演奏で、通奏低音もボニッツォーニなど豪華な布陣となっています。販売元資料

この作曲家と奏者は不思議な検索から出会いました。
youtubeの履歴は下から上へ。
シャーリー・バッシーの肩甲骨が柔らかそうな振付を見ていて。

どんな振付か。「ミダス・タッチ」とか「クモの這うような」とか。それで脈絡がないのにアグネシカのランゼッティが艶っぽく聴こえてきました。

Goldfinger He's the man The man with the Midas touch A spider's touch Such a cold finger Beckons you to enter his web of sin But don't go in


追記。楽器製作家のこと。

Jan Bobak(ヤン・ボバック)南ポーランドのNowy Targ(ノヴィ・タルク)にあるバイオリン製作学校を卒業。ポーランドバイオリン製作者協会会員。
1986年第7回へンリク・ヴィエニャフスキ国際弦楽器製作者コンクールヴァイオリン部門第一位(Poznen Poland)シカゴのWilliam Harris Lee Workshopにて、松田鉄雄氏の指導の下2年間研鑽を積み、自身の作風に多大な影響を受けている。

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