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ネズミとひとの物語

長田弘訳の「エミリ・ディキンスン家のネズミ」、なぜ読んだのか経緯は忘れました。
1999年に原著。原題は「アマーストのネズミ」です。
2007年に訳されました。
図書館の児童書コーナーに眠っていました。
旦部先生の「科学」と「世界史」といっしょ。
コーヒーの本の棚では見つかりません。
中身について何もいうまい。だって65ページほど、図書館で立ち読みしてほしい。
でも紙で読んだ方が好いですよ、という本でした。

作中、ネズミ駆除のため白イタチが放たれます。
白イタチ!!ノロイでは!!
うーんアマーストの方は、「七人の侍」でなく「素晴らしき日曜日」の方。

原著1972年、アニメ1975年

訳者の長田氏はブラウニングの「ハーメルンの笛吹き男」も訳されていました。さりげなく交流する「アマーストのネズミ」は童話作者のスパイアーズと重なります。ハーメルンのネズミは溺死します。ガンバがハーメルンにいたらどうなっていたのかしら。
ネズミの暗黒面の象徴は、旦部先生の「病原体の世界」にも登場していました。してみると旦部先生は笛吹き男の側のひとかも。

とはいえ、人間となじみある動物です。
作品は嫌いではないのですが、現在のコンプラでは褒められないパリのネズミ、レミー。

ロンドンのネズミは、もちろんベイカー街のベイジル。
原作は1958年から。ディズニーアニメは芳しくなく。わたしは宮崎駿版の犬のホームズを思い出しましたが、検索するとディズニー版の方はむしろ「カリオストロの城」の影響が色濃いらしい。

そして、1986年にはスピーゲルマンのアウシュビッツのネズミ。


そういえばわが国には、総社のネズミがいました。
アマーストのネズミは、ひきこもりディキンスンを訪ね、総社のネズミは描くことにのめり込む雪舟を訪ねた様子。

このエピソードは江戸時代初期の絵師、狩野永納著「本朝画史」で初登場


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