笑うバロック展(572) バッハの旋律を夜に聴いたせいです。その7

日本の芸能と古楽の楽しみのコラボ。

こがくのたのしみclip (16)

シャコンヌを弾くと六条御息所が現れます。バイオリンが光源氏の設定なのかしら。なんともいわくのある曲ですな。とはいえイロモノネタはつきません。

clしゃこんぬip (3)

定期的にこうしたコラボは現れます。フランスやスペインで地中海世界としてアラブ風な音楽とのコラボもありますが、日本のこうした企画はあまり真剣に評価できません。バロックダンスでフォリアを踊るものと並列しますが、これですと比較にならなくないでしょうか。ラモーの「優雅なインド」でアフリカ系の黒いひとたちが「未開人の踊り」をヒップホップ系のダンスで踊るのとはずいぶん違います。

解説では鎖国日本の独自発展、地域を超えた共通項の比較より、現代になって接点を求めた別な音楽文化と。

ばろっくにほん四季とclip (18) - コピー

米川敏子(2代目さんだと思います)作のチェンバロと筝のための「彩の響」。穏やかな佳品でした。

よねかわとしこclip (4)

福原徹の「キリエ」。

きりえclip (12)

20世紀後半の過激な、いや、やむにやまれぬ風な尖った作品から、より技術が向上し、それぞれが交流し、良くも悪くも均一化した印象をもちます。チェンバロも筝もお互いに驚きぶつかりあったりが、もうないのでしょう。季節の移ろいもお互いわかっている様子。それは笛と声楽も同様。端正だとは思いますが、祈りは共通ではないか、というところに寄り掛かっているように聴こえなくもありません。NHKの朝ドラ「エール」の「うるわしの白百合」のような説得力には及ばないと思いました。

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