ブラームスのイメージ(2016年10月記)

上段、ルドンの「オルフェ」は1903年から1910年にかけての作品。マッケラス指揮の交響曲全集のジャケットでした。
中段、カンディンスキーなどと同時期に活躍「青騎士」の仲間でもあったヤウレンスキーの「バルト海」は1911年作。ハフのピアノ協奏曲全曲。
下段、イギリスのネビンソン作「波」はイサーリスのチェロ・ソナタ全曲に使われました。
ジャケットという概念も間もなく失われるのでしょう。音楽の顔が失われる、音がすべてだから、余計といわれれば否定はしませんが、寂しいですね。そんなにも音だけで、聴かせたいのか、また聴きたいのか。
昔、栗本薫は自分の小説の最後にBGMを書き込みました。ロックとかが多かったような記憶で、組み合わせの妙を聴く機会はありませんでした。唯一は「絃の聖域」を読んだときに、「綱館」を探して聴いた覚えがあります。雰囲気はつかめましたが、小説世界の雰囲気にあった演奏には出会えていません。
バイオリニストの黒沼ユリ子さんが書いた「メキシコからの手紙」にマーラーのト長調交響曲がBGMのように取り上げられていたかと思います。わたしは、以前同じようなイメージに中米の田舎で出会う幸運に恵まれました。その時、ふと思い浮かんだのはブラームスのバイオリン協奏曲のオーボエから始まる緩徐楽章でした。
もう音楽を絵などのイメージで伝え補う必要がなくなくった、ということなのでしょうか。音楽を聴きつつ美術とも出会う機会、そんな捉え方もできるでしょうに。

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