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笑うバロック(683) ビルトーゾ・ロココ・フルート・ミュージックは倍速に聴こえる

最近よく倍速再生設定のままライブ動画などを鑑賞してびっくりすることがあります。
魅力的な「ビルトーゾ・ロココ・フルート・ミュージック」はいきなり倍速で始まったかとびっくり。バロック音楽を倍速にすると、何重にも飾った安いアクセサリーが風に吹かれてジャラジャラ鳴っているように。でも、それは違いました。
作曲家の名は、Groneman。クローネマン?グローネマン、いやフローネマン?
演奏者はJed Wentz氏。イェド・ヴェンツ?いやジェド・ウェンツ?いや Jedidiah Wentz ジェデダイア・ウエンツ?
わたしが知っているのは、バッハを録音したころ。あっという間に倍速演奏してしまい、ところどころエクセントリックな。
フローネマンはそのフルート奏者ウエンツのかなり活動初期の録音らしい。

検索を進めていて、次に引用するレビューを見つけました。説得力がありすぎて褒めているように読めません。
しかし、ブリリアントのディスコグラフィを見ると楽しくお仕事を続けている様子。ローマンいやルーマンか、やダニエル・ブラウンの作品集を録音しています。相性があっていると思います。

La dolce vita氏のレビュー
5つ星のうち4.0
ヴィルトゥオーソと音楽性
2009年7月31日に日本でレビュー済み
ここに収められたグローネマン兄弟による6曲のフルートソナタはCDのタイトルが示すとおり、殆どトラヴェルソの限界に挑戦するかのような恐ろしく技巧的な曲ばかりだ。確かにヴェンツの目の覚めるような鮮やかな指さばきと驚異的なタンギングの連打によって再現されるヴィルトゥオーソの小品としては魅力的だが、曲自体が持ち合わせている音楽的な内容が閃きに乏しい月並みなものなので、幾分曲芸の披露に終わっている感は否めない。恐らくリサイタルではアンコール用のピースくらいにしか取り上げられない宿命をもった曲なのだろう。彼がモーツァルトのフルート四重奏曲、あるいはヘンデルやロカテッリのソナタ集などで聴かせる音楽性は高く評価されるべきだが、それだけに欲を言えばこうした彼本来の音楽性で勝負する作品を将来数多く録音することを期待したい。1994年にオランダで録音され、音質は極めて良好。使用楽器はトリノの名匠パランカのコピーでピッチはa=415。デュエット・ソナタでの共演者はマリオン・モーネン。尚曲目は以下のとおり。
1.J.F.グローネマン:トラヴェルソと通奏低音の為のソナタニ長調
2.J.A.グローネマン:2本のトラヴェルソの為のソナタト長調
3.J.F.グローネマン:トラヴェルソと通奏低音の為のソナタホ短調
4.J.A.グローネマン:トラヴェルソと通奏低音の為のソナタト長調
5.J.A.グローネマン:2本のトラヴェルソの為のソナタニ長調
6.J.F.グローネマン:トラヴェルソと通奏低音の為のソナタト長調

18世紀オランダのヴィルトゥオーゾ・ロココ・フルート音楽 18世紀のオランダで活躍したドイツ生まれの作曲家、フローネマン兄弟のフルート作品は、バロック後期のロココ趣味が反映された親しみやすいスタイルが特徴的。華麗なテクニックが披露される見せ場もふんだんに盛り込まれているため、オランダ、イギリス、フランスで何度も繰り返し出版されており、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、オーストリア、ドイツでも数多くの複製楽譜が発見されていることから、当時のフルート奏者たちに人気があったと推測されています。バロック・フルートの名手、ジェド・ウェンツは、これらの作品が18世紀フルート奏者の好みやテクニックを知る手がかりになる貴重なものであると考え、1994年にオランダのNM Classicsでレコーディングしていましたが、長く廃盤だったため、今回のライセンス発売は歓迎されるところです。ブックレット(英文)にはジェド・ウェンツによる解説が掲載されています。


ウエンツの経歴を検索しました。

ウェンツは、1960年アメリカ、ペンシルベニア州生まれ。オバーリン音楽院でロバート・ウィロビーとマイケル・リンにフルートとトラヴェルソを学び、1981年に音楽学士号を取得しました。その後、ハーグ王立音楽院でバルトルド・クイケンに師事し、1985年に音楽修士号を取得しました。80年代以降、ケルン・ムジカ・アンティクア、ルーヴル美術館音楽院、パリのカプリッチョ・ストラヴァガンテ、ガブリエリ・コンソートなどのオーケストラと共演し、ヨーロッパやアメリカでソリストとして演奏してきました。90年代には指揮者としても活躍しました。1992年にオランダを拠点とする可変型アンサンブル、ムジカ・アド・レーヌムを設立し、フルート奏者と指揮者として世界中で活躍しています。
ウェンツは17世紀と18世紀の音楽に没頭。2010年にライデン大学で「リュリからラモーまでのフランス悲劇オペラの演奏における身振り、感情、リズムの自由の関係」と題する論文で博士号を取得しました。1994年以来、アムステルダム音楽院ので教鞭をとっています。王立音楽アカデミーやハーグ王立音楽院など他の音楽院でも教えています。2012年にはユトレヒト古楽フェスティバルの芸術顧問を務めました。

そして、とうとう「ハーメルンの笛吹き男とメロドラマ」という朗読家としての録音まで。

朗読と音楽を組み合わせたジャンルのメロドラマは、20世紀の初頭に特に盛んになりました。19世紀後半のメロドラマは、音楽と会話を交互に繰り返すだけではなく、ほぼ連続した精巧な伴奏に合わせてテキストを朗読することが主なスタイルとなっていました。 伴奏に圧倒されず、歌ではなくデクラメーション(抑揚・韻律を重要視する歌唱法)を続けるために、声楽パートには特殊なスタイルと高い技術が要求されます。 今回、イェド・ヴェンツとアルテム・ベログロフは、メロドラマの中に言葉と音楽の二重の芸術の融合を見出し、このジャンルがいかに感動的であるか、なぜこれほどまでに人気があったのか、そして今日どのように再生されるのかを明らかにしようとしています。

ウエンツ氏のメロドラマ・サイトを見ると最近のお姿が。

ハーメルンの笛吹きについては。今度図書館でのぞいみよう。

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