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音楽の感想 スモーカーのラムールとラモール
初めて聴きました。クラシックの愛好家なら聴いたことがある名旋律がこれでもかと。そのわりには音楽が途切れがちに聴こえます。音楽の終止と場面転換の間隙が慣れるまで気になりました。観客は8割くらいかしら。平日の17時30分開演に間に合う人々。それでもわたしのように当日「飛び込み」もチラホラ。(間際になって1時間開演が繰り上がりでの空席だったかしら)
ルール違反ブラボーあり。カーテンコールも好く言えばスッキリ、観客は早く帰りたい、劇場は粛々と帰したい。久しぶりのライブでしたが、何か空気が違う感じでした。
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カルメンは当然スモーカー。ハイヒール履きづくめは大変そう。ドゥストラックは6月11日待機明け稽古合流との記事、5月下旬には来日していたのですね。8月1日のびわ湖まで東京6公演、びわ湖2公演の8回興業。まる2か月滞在。ステージの上の囲いのない清水の舞台のようなステージの際で歌い、酒場でカスタネットを鳴らしながら歌い。ドスの効いた低音域でテノールをたぶらかします。かの有名なハバネラはキャラクターを出し過ぎのような気もしますが、音符より語句が先に届いてきます。それで「ラムール」の語がしっかり耳になじみ、後々トランプ占いの歌の「ラモール」が際立って。
新国立のサイト上のインタビューのとおり、だと。「作品冒頭あたりのカルメンの歌は台詞に近かった」「歌唱技術はもちろん重要ですが、美しい音だけでは歌うべきことの3割にすぎません」。
2か月も滞在なら、一晩くらいフランス・バロック・カンタータの夕べなどお願いしてもよいような。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56221191/picture_pc_633aeec884ad4f647367c01761f3c0bf.jpg)
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指揮:大野和士(新国立劇場オペラ芸術監督) 演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス 衣裳:リュック・カステーイス
照明:マルコ・フィリベック 合唱指揮:冨平恭平 舞台監督:髙橋尚史
カルメン:ステファニー・ドゥストラック
ドン・ホセ:村上敏明
エスカミーリョ:アレクサンドル・ドゥハメル
ミカエラ:砂川涼子
合唱:新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル
児童合唱:TOKYO FM少年合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
Q 音楽的・声楽的には、カルメンはどんな特色があるでしょう。 A カルメンの音楽は非常に繊細で、軽快でありながら、音楽的表現はさまざまに変化します。太陽のようなエネルギーを発するところもありますが、少しずつ悲劇的な側面が強まっていき、占いの場面やフィナーレの二重唱では、声の音量が突然大きくなるところも出てきます。作品冒頭あたりのカルメンの歌は台詞に近かったのが、占いの場面やフィナーレの二重唱はずっと声楽的で、かつ、激しくなります。音楽的に実に見事に書かれた作品です。
Q ドゥストラックさんは、『カルメン』をはじめ、母国語であるフランス語で歌うことの喜び、難しさなどを教えてください。 A フランス語には鼻母音や口を狭めた音があり、歌う上では十分遠くまで声を響かせながらも、聞く側が内容を理解できるような音にする、そのほどよい加減を見つけなければなりません。特にオペレッタやオペラ・コミックでは、台詞と歌の移行をできる限り自然にすることが難しいです。 フランス語は抑揚の少ない言語ですので、歌うと非常にレガートになります。その中で、いかに表現をつけ、意味を伝えるかがポイントになります。私はこの点を追求するのが大好きで、ウィリアム・クリスティからも鍛えられました。歌唱技術はもちろん重要ですが、美しい音だけでは歌うべきことの3割にすぎません。言葉や色合いを繊細に表現することも大事なのです。 また、フランス語に限らず、言語には独特の色があるので、それを尊重するように心掛けます。近年は声のタイプが国際的に均一化してきていますが、以前はロシア的な声、スペイン的、イタリア的、フランス的、など声自体にも特徴があり、聴いて分かったものです。そのような言語特有の色も大事にしていきたいです。
検索途上で見つけたリタ・ヘイワースのカルメン。カステルヌオーヴォ=テデスコが音楽担当。1948年。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56225273/picture_pc_6e3531bfe6208223b7f06af0f2f98e50.jpg)
1983年頃、著作権がフリーになった理由だったか、ゴダール、サウラ、ロージの映画。サウラの映画は、ガデスのフラメンコ版を映画化。当時ガデス舞踊団も来日公演し、拝見しました。
追記。演出は「エイミー・ワインハウスのような破滅型のスペイン語圏の歌手が日本スペイン祭のために日本公演した」----という設定らしい。そのうちタランティーノ演出とか----ちょっと面白そう。ゼフィレリやヘルツォーク、イーモウ、実相寺、映画監督でオペラ演出する人も結構いますから。