「優れた言葉と厳選された考えのエリート」ととでも訳すのかしら。オーギュのベガーズ・アンサンブルの新しい演奏。お茶目なルクレールの協奏曲集。昔シュレーダーやスタンデッジは魅力的に聴こえませんでした。どこか変な「協奏曲」で、どうすればバイオリンの独奏が楽しめるのか、誰の演奏を聴いてもピンときませんでした。
オーギュの独奏、ライバル、テオとは真反対に聴こえますが、わたしは気に入りました。musebaroqueのViet-Linh NGUYEN氏のレビューを引用します。不思議な訳になりましたが、これが不思議と「言い得て妙」なのです。
強引に解釈すると、ビバルディ風協奏曲になっているのがよいとか悪いとかというような、それが好いのです。ビバルディのようなヘンデルのような、プリマドンナのオペラアリア、それで。それがフランスの序曲とシャコンヌで括られる。バリエールのチェロソナタが余計かどうか?演奏は悪くないけれど、チェロのルクレールかと問われれば、もう少し別な曲はなかったのかしら、となります。
オーギュのバイオリンについて。自由で大胆とも聴こえますが、わたしの耳ではバロック音楽とか、古楽といわれる領域から逸脱しているとは聴こえません。サバールたちの演奏活動も、なるほどと説得される場合もありますが、現代のケルトや地中海の文化に寄りすぎて説得力が弱く感じる場合があります。同様にバルカンの、ロマの、ユダヤの、も同様です。
オーギュは、ベガーズで2021年ポワティエで「ブリティッシュ・ソナタ」というプログラム。興味深い動画があがっています。
動画の解説から引用。
いやはやジョーンズもオーギュのおかげで知りましたが、まだまだ未知の作曲家がいて楽しみが増えます。