筑前琵琶のシルヴァン・旭西・ギニャール氏が音源付きのデジタルブックとして、ご自身の研鑽された筑前琵琶を紹介する資料が公にされています。
階位について、楽譜についてなどもさらりと触れられています。
日本の琵琶とその語り物音楽の多様性が、グローマー氏の「瞽女と瞽女唄の研究」のような形にさせなかったように思います。
デジタルやらネットやら、なにかのきっかけに検索をしていくと、おっ、こんなものがでていたのか、と驚かされます。便利なのですが、こちらから積極的に検索しないといけません。
きっかけは、NHK「芸能きわみ堂」の琵琶の回。「びよーん、さわり、かたり」編。
先日同番組の再放送で鑑賞した藤倉大特集が興味深く、その後の予告で琵琶回をしりました。西洋式の五線譜で尺八の教則本を書いたのは山本邦山でしたか、尺八人口が増えたでしょう。批判もされたでしょう。
琵琶の回では、鶴田先生が紹介されていました。さし挟まれた世界の小澤のインタビューが「世界の小澤」で笑ってしまいましたが。
ゲストは坂田美子さん。
「扇の的」を披露。「扇の的」の作者が気になって検索を進めました。
「扇の的」作詞者田中濤外は水藤錦穣ゆかりの作詞家でした。錦穣が節を付け、おそらく弟子たちが持ち時間にあわせて工夫を凝らし、でしょうか。水藤錦穣同門が鶴田錦史。鶴田に師事した半田淳子さんの教え子が坂田美子さんになります。
検索結果の果て、シルヴァン・旭西・ギニャール氏に行きつきました。
わたしは聴いただけで流派はわかりません。とはいえおそらくですが、山崎先生の声、鶴田先生の声は区別がつきそうです。
山崎先生は、大変包容力行動力のある方で、「啐琢」に優れた瞬発力をもっていました。シルヴァンさん綴られた入門エピソードを読むだけでもわかります。いつもユーモアを忘れず大切にされていました。わたしが聞いたつぶやきは、最近シルヴァンさん橋本敏江さんに習いにいって熱心だけれどちょっと癪、というもの。
ところで番組でとりあげられた「さわり」。
それをタイトルにした本がありました。
2011年秋の「さわり」読書感想。