笑うバロック展(544) ヤン・ツァハのハープ(シコード)協奏曲ハ短調 [55候補]

聴いてわかる、境界線上に立つ作曲家。

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1992年録音のフナックCD。ノールマンのハープ協奏曲集。聞きなれない名前。ヤン・ツァハが。生没年(1699-1773)はバロックで申し分なしです。生没年は(1713-1773)の表記もあります。youtubeで試聴したところ、曲調や通奏低音などはバロックです。オリジナルのハープ協奏曲か?ペダルの必要は?

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ツァハについては、チェコの作曲家 (1699 年 11 月 13 日バプテスマ、チェラーコヴィツェ、現在のチェコ ~1773 年 5 月 24 日、エルヴァンゲン、現在のドイツ)、ヴァイオリニスト、オルガニスト。 バロックとクラシックの両方のイディオムを書くことができる才能のある多才な作曲家でしたが、風変わりな性格のため、1756 年頃から数多くの紛争が安定した雇用の欠如を引き起こしました。宗教声楽作品あり。

オルガン作品が録音では目立ちますので、ヘンデル同様オルガン協奏曲なのかもしれません。ノールマン、ヘンデルはMarc-Olivier Dupinの華麗なカデンツァ使用。

結果。チェンバロ協奏曲でした。しかし、このツァハのチェンバロ協奏曲は個性的で掘り出し物でした。演奏も素晴らしいと思いました。ミュンヘン・バロックゾリステンはツァハ・シリーズをだしています。独奏は、Anne Marie Dragosits アン・マリー・ドラゴシッツ。チロル出身。カプスベルガーの調査をして博士号をとっています。ハンブルクの博物館の1787年製タスカンで録音したり。ちょっと個性的な楽器に聴こえます。ハ短調とイ短調の2曲は、弦のみの伴奏。

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ウィキによると。

ツァハの作品は、古いバロック様式から新しい古典派音楽時代の移行を反映しています。当時プラハにもたらされたイタリアの作曲家たち、フックス、グラドゥス・アド・パルナッサムへのアクセス、チェコの民族音楽、そして持ち前のオルガン奏法----などからの影響を受けました。厳格な対位法の演奏法にもギャラントな様式にも長けていました。さらにツァハは冒険的な色調変調が好きでした。学者ヨハン・ブランベルガーは、20世紀初頭に著書でツァハが「色彩的でしばしばエキゾチックなテーマ」を好むと。

おそらく掲題のハ短調協奏曲のことでしょう。

ハープシコード協奏曲 ハ短調 (K C17) は、18 世紀を通じて行われたバロック様式からギャラント様式への移行を具体的に示しています。この特別な協奏曲は両方のスタイルの質を示していますが、より現代的な傾向があります。ギャラント協奏曲の典型的な「速い - 遅い - 速い」形式の3 楽章です。オープニングのリトルネロの短調の厳粛なメロディーはバッハを連想させるが、第2主題で音色は急速に甘くなる。ギャラントスタイルに典型的なハーモニーは、繰り返される 8 分音符によって運ばれる基本的な拍節とともにゆっくりと動きます。旋律の内容は、2 小節または 4 小節のグループ化された軽快な旋律で構成されていることが多く、全音階のシーケンスは短く単純です。バロック様式は鍵盤部分に最も多く出てくる複雑で、色彩的で巧妙なパターン。さらに、鍵盤楽器とオーケストラの間の対応は、ギャラント様式で通常期待されるものよりも複雑です。

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こちらにはハ長調、ヘ長調のチェンバロ協奏曲が。ハ長調はホルン付、ヘ長調はオーボエとホルン付。ヘ長調の2楽章はレチタティーボそのまま。

声楽曲もよさそう。

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ギャラントよりなのでブラブラな歌い方も必要そう。ソロではカデンツも要。


更新。
1968年録音オーボエ協奏曲変ロ長調。
カレル・クレメントのオーボエ、ムジチ・プラジェンシス。
ソロのカデンツァが演奏されているので、フリードリヒ宮廷風と聴こえなくもないかしら。組み合わせのヴェイバノフスキーもチェックしてみよう。


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