笑うバロック(600) 偏愛してもいい曲(7)ビバルディの作品番号なしトリオ
1998年ころ、パーセル・カルテットの録音を蔵王で聴きました。
ビバルディの2つのバイオリンのためのトリオ・ソナタト短調RV74とハ長調RV60、ともに作品番号なし。
わたしの耳では、2つのバイオリンがステレオの左右に分かれて演奏していると聴こえます。スピーカに向かって左から少し強めの明確なバイオリンの音、右からはやや遠く感じる小さめの音。通奏低音はチェロとオルガン。ト短調なのでセンチに聴こえる下降するメロディが左右から4回聴こえる趣向。よい機械で聴かせていただき、音の位置が明快で左右左右と指向がゆれて心地よく美しい音楽に感じました。真ん中に作品1-12フォリアが山場をつくり、最後にハ長調のスケールの練習のようなトリオ。練習というのも音楽ですから美しさがある、という曲。そしてドレミファの音階がそもそも美しい音楽だったと改めて。ルネサンス時代には「ドレミファソラ」という合奏曲が結構あります。いきものがかりの歌に「ドレミファソ」というメロディの歌があるらしい。
録音しているグループは、まあはっきりいって少ない。ビバルディにしては地味すぎるのかしら。
余談。
わたしも感心しました。
編曲というより引用という雰囲気かしら。
日本人の感性にあっています。