retropria

自分用のまとめも兼ねて、ドイツ語の小ネタを記事にしていこうと思います。たまに雑談や写真なども。

retropria

自分用のまとめも兼ねて、ドイツ語の小ネタを記事にしていこうと思います。たまに雑談や写真なども。

マガジン

  • 『葬送のフリーレン』のドイツ語

    漫画『葬送のフリーレン』に出てくるドイツ語を扱った記事のまとめです。

最近の記事

[中級] 副詞としての ruhig

前回「Ruhe とその関連語」という記事で、名詞 Ruhe、動詞 ruhen, ausruhen, beruhen、そして形容詞 ruhig, unruhig などを扱いました。 その最後で、ruhig には副詞としての使い方があると書いたのですが、今回はそれについての記事になります。 副詞としての ruhig ですが、もちろん形容詞の「静かな、平穏な」という意味を反映して「静かに、平穏に」という意味で使われます。 そしてもう一つが今回紹介したい意味なのですが、形容詞の

    • [初級] Ruhe とその関連語

      今回は女性名詞 Ruhe とその関連語です。 1. 名詞 Ruhe Ruhe は女性名詞で「休息、静けさ、平穏、落ち着き」などを意味する名詞です。"Angenehme Ruhe!" 「おやすみなさい」(快い休息を)という挨拶もありますし、シューベルトの子守唄の歌詞にも "sanfte Ruhe" 「安らかな眠りを」というフレーズがあります。 また、「静止状態」の意味もあり、Ruheenergie「f. 静止エネルギー」、Waffenruhe 「f. 休戦」といった単語もあ

      • [初級] 「城」を意味する名詞(写真あり)

        ドイツ語文学の中でもとても有名な作品に、フランツ・カフカの『城』という小説があります。今回はこの「城」を意味するドイツ語についてです。 和独辞典で「城」を引くと、まず Schloss 、そして Burg という名詞が出てくるので、これらを一つずつ見ていこうと思います。写真はすべて自分で撮ったものです。 1. Schloss Schloss は中性名詞、複数形は Schlösser となります(フランツ・カフカ『城』の原題は "Das Schloß" ですが、この綴りは正

        ¥100
        • [中級] 動詞 vorstellen

          この記事では動詞 vorstellen を紹介します。 分離動詞なので過去分詞は vorgestellt、zu不定詞の場合は vorzustellen という形になります。 再帰動詞として使うケースがほとんどで、4格の再帰代名詞といっしょに用いる場合と、3格の再帰代名詞+4格の目的語といっしょに使う場合とがありますので、そのあたりを説明していきます。 1. 基本的な意味:「前に置く」 vorstellen は vor「前に」と stellen 「立てる、置く」からできてい

        マガジン

        • 『葬送のフリーレン』のドイツ語
          6本

        記事

          [中級] 独立と依存、直接と間接

          今回は、自分の中での違和感というか疑問を述べているだけで、特に結論もない話になります。 日本語で対義語を並べる場合、一般的に「善悪」「生死」「高低」「遠近」「大小」といった風に、ポジティブなもの、より大きなものなどを先に置くことが多いかと思います。 で、「独立(自立)」と「依存」という対義語を見ると、僕の感覚だとなんとなく「独立」が先で、「依存」が後という感じがします。 しかしドイツ語では、 "abhängig" 「依存した」が先にあって、ここから否定の接頭辞 "un-"

          [中級] 独立と依存、直接と間接

          [初級] 油・脂に関する単語

          今回はいろんな油・脂に関する単語をまとめます。燃料や調理関係とかいろいろありますが、思いつく限りで書いてみます。太字は頻出単語です。(m. 男性名詞、f. 女性名詞、n. 中性名詞、pl. 複数) 1. 油・脂 まずは基本となる単語をおさえておきます。日本語でも「油」と「脂」の二通りあるように、ドイツ語でも Öl 「n. 油、オイル」と Fett「n. 脂、脂肪」があります。 言うまでもなく英語の oil, fat と同じ語源を持つ語です。 2. 調理関係 Speis

          [初級] 油・脂に関する単語

          [初級] 在と不在、出席と欠席

          今回は「いる - いない」「出席 - 欠席」の表現です。 1. 「居合わせている、出席の、列席の」 この意味を持つ形容詞は "anwesend" といいます。現在分詞をつくる "d" がついていますが、"anwesen" という動詞があるわけではありません。 英語では "present" にあたります。  Er war bei der Zeremonie anwesend.「彼はそのセレモニーに出席していた」 名詞形は "Anwesenheit" で「f. 出席、列

          [初級] 在と不在、出席と欠席

          [中級] ドイツ語の学問の名前 2

          ドイツ語の学問名の2回目です。今回は "-ik" で終わるもの、そしてゲルマン語系の  "-lehre", -wissenschaft" などがつく名称をまとめていきます。基本的にすべて女性名詞です。一部学問名ではないものも含みます。 "-ik" が付くものGermanistik「ドイツ語学文学研究」  「ドイツ語学文学研究者」 Germanist / -in Romanistik「ロマンス語学文学研究」 "Romane"「ロマン人、ロマンス人」(イタリア、スペイン、フラン

          [中級] ドイツ語の学問の名前 2

          [中級] ドイツ語の学問の名前 1

          ドイツ語の「学問」(Wissenschaft)の名称には、ギリシャ・ラテン語由来の名称とゲルマン語由来の名称の両方が存在するものがたくさんあります。英語やその他のヨーロッパの言語はほとんどがそうだと思いますが、ヨーロッパの大学ではもともとラテン語が使われていたこともあり、そのため学問名はほとんどがギリシャ・ラテン語由来になっていると思われます。ギムナジウムでは今でもラテン語やギリシャ語などの古典語を学ぶようです。 ギリシャ・ラテン語由来の学問名は、 "-logie" (英:

          [中級] ドイツ語の学問の名前 1

          [初級] 接尾辞 "-keit"の付く名詞

          前回は "-heit" という接尾辞の付いた名詞を扱いました。 今回は "-heit" と同じように形容詞を名詞にする "-keit" という接尾辞の付く名詞をまとめます。この場合もすべて女性名詞になります。 "-keit" が付くのは、元となる形容詞が "-bar", "-el"(すべてではない), "-er", "-ig", "-lich", "-sam" で終わる場合です。 太字は例によって比較的重要な単語です。 -bar + -keit dankbar「感謝

          [初級] 接尾辞 "-keit"の付く名詞

          [初級] 接尾辞 "-heit"の付く名詞

          英語には、child-hood, friend-ship, sick-ness, free-dom のように、名詞や形容詞などに付ける接尾辞がいろいろあります。 これは同じ西ゲルマン語のドイツ語にもたくさんありまして、その代表が "-heit" という語尾です。語源的には英語の "-hood" と同じです。 "-heit" で終わる名詞はすべて女性名詞になります。今回は代表的なものをいくつか紹介したいと思います。 Freiheit 「自由」 形容詞 frei 「自由な」

          [初級] 接尾辞 "-heit"の付く名詞

          『葬送のフリーレン』のドイツ語 第71-104話

          漫画『葬送のフリーレン』に出てくるドイツ語の第6回目です。今回は第71話から第104話までです。マハト戦の終わりまでということで、新しい名前がなかなか出てこなかったのでだいぶ長くなってしまいました。 [人名] 神技のレヴォルテ Revolte 「反乱、暴動」を意味する名詞。 黄金郷のマハト Macht 「力、権力」を意味する名詞。英語の "might", mighty" などと語源が同じです。 ゲーエン gehen 「歩く、行く」を意味する動詞。英語の "go" と同語源

          『葬送のフリーレン』のドイツ語 第71-104話

          [中級] 前つづり"be-"で始まる動詞の過去分詞から作られた形容詞

          この記事では "be-" で始まる形容詞を扱います。説明するとちょっとややこしくなるのですが、前つづり "be-" で始まる動詞の、もともと過去分詞だったものが、現在ではほぼ形容詞・副詞として用いられているものです。 見出し前に★が付いたもの、文中の太字は比較的重要な単語です。 ★bekannt 「知られた、有名な、周知の、既知の、なじみの」 元となっている動詞は bekennen ですが、この動詞は「認める、告白する」といった意味なので、bekannt は意味的には k

          [中級] 前つづり"be-"で始まる動詞の過去分詞から作られた形容詞

          [中級] 接頭辞 "ur-"

          今回は名詞や形容詞の頭につける接頭辞 "ur-" をまとめます。太字は比較的よく出てくる単語です。 1. 始原 見出しの通りです。始まり、元祖、元来のような意味を付与します。  Mensch「人間」→ Urmensch「原人」  Einwohner「住民」→ Ureinwohner「原住民」  Wald「森林」→ Urwald「原生林」  Zeit「時代」→ Urzeit「太古、原始時代」 *形容詞 urzeitlich「太古の、原始時代の」  Welt「世界」→ Ur

          [中級] 接頭辞 "ur-"

          『葬送のフリーレン』のドイツ語 第48-70話

          漫画『葬送のフリーレン』に出てくるドイツ語の第5回目です。今回は第48話から第70話までです。内容は第58話まで魔法使い一級試験の続きで、登場人物がかなり重複しているし、場所の移動もほとんどなかったので、範囲が少し長めになりました。 [人物] レルネン lernen 「学ぶ、習う」を意味する動詞。英語の "learn"。名詞 "Lernen" は「学習」。 ファルシュ falsch 「間違った、偽の」を意味する形容詞です。ゼーリエの質問に間違った答えをしたからでしょうか…

          『葬送のフリーレン』のドイツ語 第48-70話

          [上級] 名詞 "Geist"の複合語

          男性名詞 "Geist" を含む複合語についてまとめてみたいと思います。今回も上級というかマニアックネタです。 男性名詞 "Geist"(複数形 Geister) は、語源的には英語の "ghost" と同じなのですが、いろんな意味を持った名詞です。たとえばオックスフォードの独英辞典を見ると、"mind, wit, spirit, intellect, ghost" など、独和大辞典だと「心、機知、精神、知力、霊魂、幽霊」などが挙げられています。 これらの意味をひとつひと

          [上級] 名詞 "Geist"の複合語