32, わたし、新しい場所へ。
変わっていくということは、
とても自然なことだと思うの
ただその場にいるだけで
髪はのびるし 爪ものびるし
歳をとれば重力にさからいきれない
皮膚は弛むし
体力だって記憶だって衰える
心だって、そう、同じ。
いつまでもただ純粋ではいれないし
そうそうキラキラ輝いてもいられない
好きになる人もいれば
嫌いになる人もいるし
昔仲良しだったあの人と
今はできれば会いたくないなんてこともある
頑張れる時もあれば
頑張れない時もある
優しくなれる時もあれば
ひどく薄情な時もある
昔は簡単にできたことが
できなくなることも
でも、昔はできなかったことが
できるようになることも
だから ねぇ、ねぇ、わたし。
変わっていくことを
そんなに怖がらないでね。
同時にはなれないものというのも
きっとあるのよ
変わっていくわたしを
どうぞ許してやってね。
嫌いだなんて言わないであげて。
「相変わらずね」なんて
いつのわたしと比較してるの?
「過去のあなたが好きでした」なんて
ただ、もう、それだけだったってこと
好きだったわたしの幻想とでも
どうぞ遊んでいらっしゃいな
変わらないことを期待されても
それは無理なお願いよ
変わっていくわたしを
どうぞわたしは愛してあげてね。
それでも変わらない部分があるのなら
きっとそれが、あなたの個性。
長い目で見てね。
さぁさ、だからもう
過去にばかり執着するのはおよしなさいな
そうやって縛るのはおやめなさいな
今あるわたしがわたし。
積み重ねた過去の上に立ち、新しいものを見て、触れて、動いた気持ちを表現するの。
まっすぐ前を見て。
そう、視線を定めて。口許には笑み。
胸をはり、顎を引き、堂々と生きましょ。
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