11.「わたし」の両親。
子どもにとって
両親のけんかほど嫌なものはない。
うちは仲のいい家族だと思う。
父、母、わたしの3人で
わたしは普段はもう、
家を出てしまったけれど
夏に帰省した時には
だいたい毎年家族旅行に行く。
だけど普段と違うイベントでは
普段と違う衝突が起きるわけで。
小さな忘れ物をめぐり
不穏な空気。
外は雨。大丈夫か、この旅行?
うちの父はすぐ怒る。
おしゃべりでおもしろい人だけど
頼りがいがある人だけど
子どもっぽいところがある人だと、
わたしは思う。
母のこと、大好きなんだよね。
甘えん坊の亭主関白みたいな。
……なんだそれ。
うちの母は優しい。
父に怒られても言い返さない。
小さなことは笑って謝る。
「いつものことよ」って
「いちいち腹を立ててたらやってられないわ」って笑う。
何だかんだで
父の上手な扱い方を知ってる。
うちの父はすぐ怒るけど
ちゃんとすぐに機嫌をなおす。
それは、母の転がし方が上手いのか
ちゃんと父が大人だからか。
あぁ、両方か。
それがうちの両親。
わたしの尊敬する夫婦。
ほら今も
バスの座席、隣同士で座って
笑って話してる。
何だかんだ仲良しなんだ。この2人は。
気がづけば 目的地に近づくにつれ
外は快晴。爽やかな青空。
1泊2日のツアー旅行。
今日は、富山県の
黒部渓谷トロッコ電車に乗ってきます。
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