13.「わたし」、ピノッキオ。

「好き」「楽しい」ばかりの自分は
とても未熟で子どもだった。

大人たちの中に混ぜてもらって、ちやほやしてもらって、
自分も大人なのだと、分かっているような得意げな顔をして
ばかだなぁ。どう見られていたんだろう。恥ずかしい。

小生意気なピノッキオ。
自分の鼻がのびているのにも気づかずに
まだまだ人形なのに、特別なのだと、人間になったと錯覚して。

足りない。足りない。
せめてもう少しでいいから、ちゃんと大人になりたい。
自分の石は自分で磨かなきゃ。
傷つくのを恐れて逃げてばかりいたら、いつまでたってもただの石ころだ。
宝石になるわけじゃない。石ころは石ころのままだとしても

あぁ、そう、どろだんごみたいに。ぴかぴかだんごにする努力。
あとはそう、川を流れて磨かれて、まあるくなってく小石みたいに。

理想と違うなら、変わる努力をしなきゃ……。


その一方で、子どもである自分に固執する。
その免罪符はいつまで有効?
いつまで若さという盾に隠れていられるの?
何も知らないで、希望だけをもって、純粋無垢に笑っていたい。
何も考えないで、可愛がられるばかでいたい… なんて
それはそれで、きっと辛い。

七転び八起き。
まわりと比べてマイペースなわたしは置いて行かれているように見えるけど
まだまださなぎ。凹むな、焦るな。
転がれ、転がれ。
転んで、転んで、それでも起きて自分を知って

歩こう。強く。しなやかに。


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