40. わたし、似た色探し。
似た色探しが得意なんです、わたし、
鼻がきくんです、そこだけ
それは、わたしが
そうやってわたしを守ってきた名残だから
そうやって、似た色を探して
集まって、群れて、その中でなら
自分は自分を出しても大丈夫だと
その中でならわたしは
優しくしてあげられる存在でいられるから
優しくしてるふりをして
優位でいられる自分を守って
あなたのこと、分かるわって顔して
そういう自分を誇らしく思って
… いやなやつでしょ。
本当にいやなやつだなって思う。
とても弱くて醜いわ。
そういうわたしの優しさは醜い。
無意識のうちに
相手の弱さを探して 優しくつけこむ
そうだ、そうなの
人の弱さや痛みにも鼻がきくの
そう
しなければ
そうすることで
そうすることが
一番簡単に、自分を肯定していられるのよ
薄々気づいてた
けど、なんだか言葉にしたら
恐ろしい程に見えてしまった
わたしは弱さに依存する、傾向があって
その優しさは相手をのみこんで
だめにする、傾向があって
自分から近づいて、依存させやすくしてるくせ
そこまで受けとめきれなくて、投げ出す
まるで悪魔だわ
確かいつか読んだ漫画に
こんな例えがあったっけ…
悪魔は立ち止まった人を受け入れる
天使は進もうとする人の背中を押す
わたし、優しさを纏った悪魔なの、きっと
ねぇ、正しい優しさとは何?
こんなわたしを、どうすればいい?
癖のように染みついた
似た色探し 似た者探し
よくよく見れば違うくせして
似た色探し 似た者探し
そして 同色の優しさのベールをかける
そんなベール、どうぞ脱ぎ捨てていってください。
あぁ、優しさとは、いったいなんだろう。
受け入れるとは、受け止めるとは、支えるとは。
必要とするとは、必要とされるとは。
裏側がある優しさでも、それでも、それが、
世の「フツウ」におさまるのでしょうか。
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