31.わたし、夢見る夢子さん。

最近、この一番身近な
わたしという人間を観察していて気がついた。

「あなたは、あなたの中だけで
生きてきてしまったのですね」

初めての町にどきどきワクワク
好奇心旺盛に目をきょろきょろさせて
綺麗なもの探し

そうやって自分の中にある空想の町に
新しい景色を与えるのです
それはまるで、水を与えるように
裏庭でひみつで植物を育てるように

そうやっているわたしは
たとえ誰かと一緒にいても
ひとり違う世界にいるようでした

気まぐれにその誰かに気持ちを向けてみたり
心は置いてきぼりにして表面だけで繕ってみたり…

そうやっているわたしは
結局自分の世界から
1歩だって本気で外に出ていなかったのです

もしかすると、それがわたしの
偽りや壁の正体ではないでしょうか

ゲームはやりませんでした。
本も、ドラマも、映画も
皆が知っている有名なのも
ほとんど知らずにここまで来ました。

それは、空想あそびをしていることで
十分楽しむことができていたからかも知れません。

でも、大人になるにつれ
空想の町に住むわたしと
現実のわたしとでは、
乖離が大きくなっていきました。

"夢見る夢子"のわたしのままじゃ
この空想の町に住み続けたなら
どんどん年相応であることから

「大人になる」ことから
置いていかれてしまう……。

それは、とても生きずらいだろう。
大人になれないピーターパンは孤独なのです。

少しずつ、手探りでも
臆病なりに現実の歩き方を
みんなと同じ世界の歩き方を
勇気を出して学んでいかなくちゃ

今に"かわいい"で許されなくなる時が来る。
何も全て捨てろというわけじゃないの。

ねぇ、わたし
これは警告よ。

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