12.「わたし」、甘いものが食べたい。

ひとりきりの部屋は、なんとなく寂しい。
テレビだけがうるさい。
別に見ていない。
どうでもいいんだけど、なんとなく
ひとりきりの部屋で静かになってしまうのが怖くて
つけておくことにする。

何か甘いものが食べたい。
チョコレートでも、カステラでもいいから、食べたい。

寂しいと、甘いものが食べたくなるのはなんでだろう。

親に電話でもすればいい。
友達にLINEでもすればいい。
だけど、なんとなくそれも、面倒なんだ。

そうしてわたしは、誰にでもなく
誰に届いてほしいでもない言葉を吐く。
孤独なんて、誰かに見えるように吐き出したって かっこ悪いだけだ。
わたしは、面倒な自分が一番嫌い。

嫌い… なんて、改めて書くと、ちょっと嫌な気持ちだね。
好きになろうと、努力しているつもりなのにさ。

テレビの中のスポーツ選手は、みんな頑張っていて、努力していて
羨ましかった。悔しかった。
わたしとは、別世界に住む人たち… あぁ、気持ちが重たい。

何か甘いものが食べたい。
チョコレートでも、カステラでもいい…
ただ、そんなものでこの気持ちが埋まらないのは、知っている。

ごめんね、少し、放っておいて。
言葉なんて返してくれなくていいから。
すぐに上手に笑うから。

明日は、いい天気になりますように。

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