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PENTAX 67
ペンタックス 67(旧名6×7)は、1969年7月に発売され後継機の67IIが発売される1998年まで30年も生産され続けた中判フィルム一眼レフの名機です。
67は、35mmフィルム一眼のサイズや重量に比べ桁違いに大きく重いので、化けものようなペンタックスと言う意味合いで「バケペン」と通称で呼ばれるようになりました。
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写真の67は、PENTAXのロゴで67と表記されていて後期タイプです。
初期・中期は、ASAHI PENTAXのロゴの上にAOCoのロゴマークがあり6×7と表記されています。
ミラーアップレバー、底面のスプール受けクランク、枚数切り替えダイアル等で初期と中期を見分けられます。初期・中期の見分け方で一番わかりやすいのは、ミラーアップレバーなしが初期でありが中期と判断するのが良いかと思います。
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ファインダー部分は取り外し交換可能で写真のファインダーはアイレベルのペンタブリズムファインダーですが、この他にもTTLペンタブリズムファインダーやウエストレベルタイプのピンフィード等もあります。
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TTLペンタブリズムファインダーに交換する際は、必ずレンズを取り外してから交換してください。レンズを取り外さずにファインダーを交換するとレンズの絞り値を伝えるチェーンの位置が合わず、最悪チェーンが切れてカメラ本体を壊してしまう結果になります。
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底面には、電池ケース、三脚穴、スプール受けクランクがあります。
初期のスプール受けクランクは、ノブがなくギザギザに切り込みがあるだけなので指で押さえながら回転する必要があるので少々不便さを感じます。中期以降は改善されノブを起こして回すタイプに変更されました。
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左側には、裏ぶた開放レバー、レンズロックレバー、シンクロソケットがあります。
シンクロケーブル接続で外部ストロボと同期できますが、1/30秒以上のシャッタースピードで同調するので67でストロボ撮影はあまり実用的ではないと考えられます。
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右側には、枚数切り替えダイアルとミラーアップレバーがあります。
67のミラーは非常に大きいのでシャッターを押すとバッコンと大きな音を立ててアップダウンするのでかなりの振動が伝わって来ます。特にシャッタースピードが遅い時や望遠レンズ使うとブレた写真になる可能性があるので、シャッター押す前にミラーアップさせてから撮り振動を抑えて撮影するために使います。
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前面には吊り金具とアクセサリーガイドピンがあり専用のグリップやストラップを取り付けられます。
専用のグリップ上部には、コールドシューがあるのでストロボを取り付けてしっかりとハンドルを握って撮ることができます。
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空シャッターの切り方
67はフィルムが入っていないとシャッターを切ることが出来ませんが、電池を入れた状態で空シャッターの設定をすることでシャッターを切れるようになります。
まず、裏ぶた開放レバーを引いて裏ぶたを開きます。
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フィルムカウンターの中央のカウンター作動盤を押しながら、1以上の目盛りになるまで左に回します。
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カウンター作動盤を押さえたまま裏ぶたを閉じます。
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巻き上げレバーをいっぱいまで回すとシャッターがセットされます。
これで空シャッターが切れるようになります。
中古を購入する前にカメラの動作確認するためにこの空シャッターの設定方法を覚えておきましょう。
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フィルムの入れ方
67は、35mmフィルムに似たフィルムの入れ方なので一度覚えれば簡単にフィルムを入れられます。
中判のフィルムは現在ほとんど120タイプ(10枚撮り)しかないので裏ぶたの厚板を120側に合わせておきます。また、巻き上げレバー横にある枚数切り替えダイヤルを120の方に合わせておきます。
まず、裏ぶた開放レバーを引いて裏ぶたを開きます。
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シャッターダイヤル側のスプール受けクランプのノブを左に回し引き出し、空のスプールを取り出します。
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巻き上げ側のスプール受けクランプのノブを左に回し引き出し、フィルム室に空のスプールを入れます。
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120フィルムを袋から出しフィルムを止めている中央のシールを剥がします。
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このような状態になるようにシールはきれいに剥がしましょう。
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フィルムをシャッターダイヤル側のフィルム室に入れてスプール受けクランプのノブを右に回し押し戻します。
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フィルムのペーパーリーダーを引き出します。
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空のスプールの溝が真上に来るように巻き上げレバーを少し回します。
フィルムのリーダーペーパーを引き出して先端部分を溝に入れ、リーダーペーパーを押さえながら巻き上げレバーを1回巻き上げます。
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巻き上げレバーを後数回巻き上げて、矢印マーク(スタートマーク)が120▽マークに合うように巻き上げます。
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裏ぶたを閉じフィルムカウンターが1枚目を差してシャッターがセットされるまで数回巻き上げます。
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フィルムカウンターは、1回巻き上げる毎に1目盛り進み、撮影枚数を表します。
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作例
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smc PENTAX67 75mm F4.5は、35mmフルサイズ換算で36.5mm F2.2のレンズで標準画角の少し明るいレンズに思えますが、ボケ感は恐ろしく開放のF4.5だと近距離でピントを合わせた場合、数センチ違うだけで途端にボケてしまいます。
作例はすべてF4.5で撮影していますので、全体にピントを合わせて風景を撮影する場合はF11位に絞って撮った方が良いかと思いました。
中判カメラでしか表現できない滑らかでとろける様なボケ感は、コダックポートラの相性も良くその場にある空気感のようなものまで写っていて、67の写りに魅了される写真家も多いのも納得できます。