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なぜ架空サイト制作に「カフェサイト」が多いのか

こんにちは、ささがねです。
最近いろいろなお仕事をさせていただき、毎日忙しくさせていただいています。これもひとえにクライアントの皆様のおかげです。

今日はよくある「なぜ架空サイト制作にカフェサイトが多いのか」について、ワタシなりに考察をしてみたいと思います。

架空サイトとは何か?

まず架空サイトについて簡単に説明すると、その名の通り実在しない店舗や会社、サービスなどを紹介するウェブサイトです。
ウェブスクールに通っている生徒さんや、まだ実案件のない駆け出しのフリーランスの方などが自身の制作実績集(ポートフォリオ)に掲載するために作られるサイトです。
実際の案件をまだ行ったことがない場合、「こんなテイストで作れます」といった自身の技術やデザインをアピールするには必要なもので、採用面接のときにも使ったりします。

これでもか、というくらい多い架空カフェサイト

弊社にもほぼ毎日1〜2通、駆け出しフリーランスの方から営業メールをいただきます。一応すべて目を通していますが、掲載されているポートフォリオサイトを見ると、7〜8割に「架空カフェサイト」が見受けられます。
またいろいろなウェブデザインの本を見てみても、カフェサイトを題材にしたものをよく目にします。
この日本にそんなにたくさんのカフェがあるのか、と思うほどたくさんのカフェサイトがあります。
きっとカフェサイトには何か魅力的なものがあるんじゃないかと思い、ワタシなりにポイントを考えてみました。

理由1:普段の生活に存在している身近な存在

カフェは今やワタシたちの生活に、とても身近な存在になりました。
とかく言うワタシもカフェは大好きです。
コーヒーの香り、ゆったりした店内、そしてちょっとMacBook Airを広げてコーヒーカップを一緒に撮ったら、もうインスタ映え間違い無しです。
ウェブ業界ではカフェでの仕事がオシャレみたいに思われています(ただ厳密にはクライアントワークだからカフェで仕事しないでくださいね)。
そういうのもあって、身近な存在であるカフェはサイト制作の題材にはわかりやすい存在なのかもしれません。

理由2:コンテンツ構成がだいたい決まっている

ウェブサイトを制作する時、「情報設計」がすっかり当たり前になりました。たった3ページ・5ページでも、きちんと情報設計してクライアントが達成したい目標のためにさまざまな導線や注目してもらう仕掛けを施します。
数ある業種の中でも「カフェ」という業態は、コンテンツ構成がおおよそ決まっていて、あまり考えなくても良いのではないかと考えました。

  • トップページ

  • カフェのコンセプト(コーヒーやフードのこだわり等)

  • メニュー

  • アクセス

  • インスタ埋め込み

カフェサイトであれば、この構成で事足ります。
つまりこれら以上の情報はなくてもよく、情報設計に詳しくなくてもそれなりのコンテンツ構成を組むことができるのです。

理由3:制作に必要な素材が集めやすい

ウェブサイト制作で設計の次に大変な作業は、画像やテキストといった「制作素材」の収集です。
弊社のクライアントさんの半分以上が製造業なので、プラスチック成形や金属加工に関する素材集めは骨の折れる作業です。だって素材集サイトにもないんですから。
それに引き換えカフェであれば、著名な素材集サイトで検索をすればたくさんの良い感じの写真が出てきます。
しかもどれもが映えするものばかりで、どれを使おうと迷ってしまうほどです。もし自分の好みの物がなければ、撮影しても良いですね。今のスマートフォンのカメラ機能は優れていますので、そういう方法もアリです。
またテキストもいろんなカフェサイトを見れば、なんとなくライティングできますし、メニューもある程度決まっている名前なので扱いやすいです。

理由4:それなりにカッコよく作れる

良い写真とそれなりのキャッチーなテキストがあれば、それなりにカッコよく作ることができるのも、カフェサイトが人気の理由の一つだと思います。
いろんなウェブサイトを制作して感じたのは、「良い写真は必然的に良いサイトになる」ということです。
デザインワークの時点では、アタリ用の写真を入れてそれっぽく演出しても、いざクライアント支給の写真を当てたら、「おやおや??」と思うことはありませんか?つまりそういうことなんですね。
カフェサイトの場合、とにかく写真の質が高いので、自然とカッコよくなります。
見出しとか少し文字間を開けたりしたら、かなり上質な雰囲気になります。
あと店名や見出しにタイプライターの文字のようなものを入れるだけで、一気にオシャレになります。
とにかくカフェサイトというのは、さまざまなイマジネーションを具体化するのにとりかかりやすい題材なのかもしれませんね。

結論:カフェサイトは作りやすい

以上のことから、カフェサイトはとても作りやすい題材のため、多くの方が最初に取り組むので、架空サイトにカフェサイトが多くなる、というのがワタシなりの結論です。
しかし実際のところ、カフェサイトの案件は大変少ないですね。それは結局のところ個人経営が多く、そこまで予算を割くことができないからです。
もしワタシがカフェを経営するとしても、ウェブサイトは要らないですね。インスタをメインにしたSNS展開が一番ラクですし、集客力が高いです。
おそらくカフェサイトを作る方も、実際にカフェ案件を獲得することができない、もしくは機会がなかったとしても、自分の作りやすいものを作っておきたい、という気持ちがあるのかもしれません。
ですから、架空サイトにカフェサイトがあっても「カフェサイト案件なんかなかなかないよ、現実的なものを作りなよ」と言わず、暖かく見ていただきたいというのが、同業からの希望です。

作るなら徹底的に

ワタシはカフェサイトがダメということは言いません。
それよりもどうせ作るなら徹底的に作って欲しいと思います。
では、どういうことを徹底的にするかというと・・・

  • ロゴをCIを意識して作る(ロゴの設計書・仕様書も作る)

  • 経営計画書を作る(初期投資、売上目標、費用、利益など)

  • サイト設計書を作る(トンマナ、フォントサイズ、フォント、余白など)

これくらい作っておくと、かなりリアルなサイトを制作することができると思います。
特にフリーランスの方であれば、事業計画書を架空でも作っておくと、作り方を学ぶことができますので、自身にとってマイナスにはなりません。
ポートフォリオにこういったものも一緒にアップしておくと、カフェという業界・業態のことをしっかり理解しているんだな、というアピールになります。

以上が、ワタシなりの「なぜ架空サイト制作に『カフェサイト』が多いのか」に関する考察です。
このカフェサイトを取っ掛かりにして、いろいろな業種のサイトにも挑戦して欲しいなと、オジさんウェブデザイナーは思います。

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