ただそばにいるだけでよく
人に何かを教えるときは、ついあれこれと言いたくなってしまうものだ。特に自分がうまくできることならばなおさらである。自分の成功体験と言うべきか、これまでの経験をもとに色々と言ってしまう。
もちろん言っている側も悪気があってのことではなく、むしろ逆だ。相手にわかりやすく説明しようという気持ちが強くなる。そしてその気持ちが強ければ強いほど言葉数が多くなる。聞いているほうは、だんだんと混乱してくる。
もし、どうしても教えたいと思うならば、そばにいるだけではどうだろう。そばにいて見守り、必要なときだけ助言をする。それ以外は何もしなくてよい、ただそこにいるだけ。自分のペースでやらせておけばよい。教えを乞う側も一人では不安だったりモチベーションが上がらなかったりとあるだろうが、誰かがそばにいてくれるだけで、ちょっと心強い。
躓いているところも、何かをできるようになるきっかけも、一人ひとり異なる。だから、教える側のアドバイスのうち有効な部分は限られてくる。教える側はじっくりと待って寄り添う。あれこれ教えるよりも、案外、それが一番大事なことなのかもしれない。
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