第98回箱根駅伝登録メンバー発表
12/10は毎年決まって箱根駅伝の登録メンバーが発表される日である。今日選ばれた16人のうちから、当日走る10名が選出される。裏を返せば、このメンバーに入れなった選手が箱根路を走ることはないのだ。そういう意味では、楽しみな反面、非情な日でもある。
各大学を何となく見ていくと、エース級のランナーたちは順当にメンバー入りしている。ただ、東海大の石原選手だけは外れてしまった。春のトラックシーズンでは大活躍だったが、故障により秋以降の駅伝シーズンには一度も姿を見せないまま終わってしまった。東海大学は石原選手抜きでの戦いを強いられることになる。
各大学の戦力を比較するのに、10000mの持ちタイムを用いることが多いが、上位10人の平均タイムを見た時に驚いた。上位10名の28分台は当たり前、予選会組でさえ、28分台のチームが半分である。一昔前は、28分台といえば学生長距離界のエースクラスが持つタイムだった。それを今は中間層の選手たちが持っている。記録上では、とんでもない時代になってしまったものだ。
しかし、この持ちタイムと実際のレースがリンクするかというと、必ずそうともいえないところが駅伝の面白いところだ。レースには流れがあり、その流れにうまく乗れた大学、あるいはどこかでゲームチェンジができた大学が上位に来る。よーいドンで始まるトラックレースとは違い、1区を除けばほとんどが単独走になる。普段から、自分の力だけでペースを維持できるかどうかが駅伝の鍵になる。そういう力はトラックの持ちタイムにはなかなか現れないので、持ちタイムだけでの評価をすることはとても難しい。
そんななかでも、やはり駒澤と青山学院の力は抜けている。両大学とも平均タイムが28'30"を切っているのだ。何回もいうが、トップの成績ではなく上位10人の平均だ。青山学院はエントリー全員が28分台だし、駒澤は公認記録を持っていない・走っていない選手がいるから、まだ上がる可能性がある。末恐ろしいチームである。普通にやったら、この2校の優勝争いになるだろう。
それでも箱根には山がある。5, 6区の特殊区間をどう凌ぐか、あるいはアドバンテージを取れるか。順位変動はそこでも大きく変わってくる。山に関しては経験者のいる大学が比較的有利と思われるので、駒澤-青山学院だけの比較でいえば、青山学院が若干有利だろうか。
もちろん前回惜しくも2位だった創価、出雲優勝の東京国際、オリンピアン三浦選手擁する順天堂、粒ぞろいの國學院など、力を持った大学が目白押しなので、レースの行方は本当にやってみなければわからない。箱根駅伝まで3週間あまり。ここからはエントリー争いを巡るチーム内の最後の競争が待ち受ける。
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