呼称の問題
会社で誰かの名前を呼ぶときに、どんな呼称を付けるだろうか。最近では「~~さん」という言い方が一般的になってきたようだが、「〇〇部長」「〇〇課長」という呼び方もあるだろう。肩書にこだわる人は、今もまだいると思われる。
後輩に対して「〇〇くん」と呼ぶのは、もう一般的ではないだろうか。男女間で「くん」「さん」と使い分けるのはどうだろう。細かくみていくと、結局は当事者同士の距離感や関係性の問題に帰着するような気がする。
メールの本文中でも「~~様」と書くこともあるようだ。他社ならともかく、同じ社内でもそういったことをやっているケースがあるようだ。呼称によって、知らず知らずのうちに役職を通した壁が出来てしまっているといえる。
こういう時に、どうやったらその壁を壊せるのだろうか。一番簡単なのは、組織として「こうする」と決めてしまうことだ。いわばルールで定めてしまうということだ。そうでもしないと変えにくいならばそれが一番よい。ただし、このやり方は「決められたことを守る」という、いわば受け身の姿勢であることに変わりない。自分の頭でどう呼んだらいいか?を考えることなく、ただ言われた通りにやるということに他ならない。
もちろん、そんなことまで悩まなくて済むようにルールを作ってしまうという意味合いもある。ただ、ルールで決めてしまうというのは、どうも簡単な方法な気がしてならない。学校で厳しい校則を設ければ、学生(生徒)のレベルが上がるのか?と問われると決してそんなことはない。レベルの高い学校のほうが得てして校則は緩いものだ。
ルールを作らずに風土を変える。きっと、これは難しい選択なのだろう。しかし、もしそれができるのであれば、きっとその組織は様々な変化に対応できる組織となっていると思う。たかが呼び方、されど呼び方。決まりではなく、各自が自分で考えて動ける組織が作れたら、どんなにいい環境だろうか。