インクの化学
買い忘れたインクを買いに今日も出掛けた。PLATINUMのインクを扱っている文房具店に行って、お目当てのインクが見つかったので、早速購入した。
本当はブルーブラックのインクが欲しかったのだが、お店にはこれしか置いていなかったし、黒のほうが使う(ブルーブラックもいずれは黒になるのだが)はずなので、初めて使うものだしいいかと思ってこれに決めた。無事にインクが手に入ったので、あとは実際に使ってみるのみである。
ところでインクが有するpH領域はそれぞれ異なる。pHとは液中の水素イオン濃度の逆数を対数にした値のことで、別の言葉では酸性・アルカリ性ともいうことができる。pHが低い(=水素イオン濃度が高い)ほど酸性、高い(=水素イオン濃度が低い)ほどアルカリ性というわけだ。どうして2種類のインクが存在するのか。
古典的にインクは酸性しかなかったようだ。それはインクの作り方に起因することのようで、PLATINUMのページには以下のような記述がある。
鉄を酸化させるためには酸性の環境下でなければならず、酸化させる際に硫酸等を加えてpHを調整していたために酸性になっていたようだ。研究が進んだ現代では中性~アルカリ性のインクを作れる技術ができたらしく、今、日本で売られているインクのほとんどがこの領域のものであるようだ。たしかに酸性だとペン先は錆びてしまう(だから錆びにくい金を使った万年筆もあるようだ。高価でしょうけど)ので、中性~アルカリ性の領域のほうが、ペン先には優しいわけだ。
インク一つとっても、色々と調べていくと面白いもので、インクによってpHの値も様々。この辺を切り取ってみても、万年筆は科学(インクの場合は"化学"のほうかも)であるなと実感するのである。
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