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左右盲

自分は左利きなのだが、ときどき右手も使う。左利きの人間はある程度、右利き社会に合わせなけばいけないので、右手を使わざるを得ないこともある。たとえば、駅の改札がその最たるものだ。切符にせよ、ICにせよ、右側にあるので右手を使うか、左をクロスして入れる/タッチする必要がある。些細なことかもしれないが、左利きの人間からすると慣れるまではちょっとしたストレスになり得る。

あと、よくあるのは「一瞬、左右がわからなくなる」といったことだ。自分は日常生活や運転などに支障が出ることはそんなにない。せいぜい、箸を並べるときに、一瞬判断に迷うくらいだ。この現象は左右盲というらしく、運転時や(医者ならば)手術時に大変なことになるらしい。この現象は、どうやら左利きと女性に多いらしいが、ちゃんとした原因はわかっていないようだ。

自分の場合は、「両方を使う環境にあるから」というのが原因なような気がする。つまり、どっちも使えるから「あれ、どっちだっけ?」となっているように思える。どちらかしか使えなければ、自分が普段使っている側にしか意識がいかないから、そもそも迷うことなどない。

多様化が叫ばれる時代だが、自分は普通と思っていても、普通に見える人でも自分とは違う感覚を持っている。それがたまたま左右盲とよばれるような現象だっただけで、他にもたぶんたくさんある。自分とは違うと思ったときに、一瞬でも「え?」と思うかもしれないが、それは自分の心の中に留めておいて、「色んな人がいるよね」くらいのフワッとした受け止めかたが広がっていくといいよなと思っている。

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