映画「ツイスターズ」(リー・アイザック・チョン監督)
ネタバレありますのでご注意ください。
超巨大竜巻が多数発生したアメリカ・オクラホマを舞台に、気象学の天才ケイトと友人のハビ、そしてユーチューバーで竜巻チェイサーのタイラーを中心とした、知識も性格もバラバラな寄せ集めチームが竜巻に立ち向かう姿を描いたアクションアドベンチャー。というキャプションです。
これを見るにあたって、先に「ツイスター」(ヤン・デ・ボン監督/1996年公開)を見ました。ほぼ同じタイトルだし、制作者側はきっと意識してるだろうなと思ったので。私もかつて見たんですが、何せずいぶん前なので、牛が飛んだことしか覚えてなかった(笑) 今見てもすごく面白かったですが、こちらに関しては割愛。
さて、ただいま公開中の「ツイスターズ」です。「ツイスター」の続編というわけでは全然ないし、先行作を見てなくても全く問題ないですが、やっぱりそちらを踏まえておくと楽しさが倍増って感じでした。細かい仕掛けやオマージュがいっぱい。見といた私グッジョブ(笑) 後から知ったんですが、チョン監督は「ツイスター」の大ファンだそうで、そのリスペクトも随所に感じました。
冒頭、気象学を専攻する学生のケイトは、データをとるために竜巻に迫り、その結果チームメイトと恋人が竜巻に巻きこまれてしまいます。彼らを亡くしたことが彼女の心の大きな傷になっています。
物語はその5年後、デスクワークに従事しているケイトのもとに、かつてのチームメイトのハビが現れて、一緒に竜巻を追って欲しいと誘うところから始まります。ここに「竜巻カウボーイ」を名乗るタイラーが絡み、競ったり反目したり協力したりしながら自然の猛威である竜巻に立ち向かい、その被害を減らそうと尽力していきます。
ストーリーの展開もさることながら、まずは映像のものすごさですね。導入から前作のクライマックス並みの竜巻の凄まじい威力を見せつけられて、見るほうも息を詰めて椅子のひじ掛けを握り締めてしまいました(笑)
そしてケイトとタイラーとハビ、それぞれの論理や倫理や思いが交錯し、こちらの先入観はひっくり返され、竜巻に巻き込まれて錐もみ状態で終盤まで息つく間もない2時間でした。
トラウマを乗り越え、トライ&エラーを繰り返し、一歩ずつ前に進んで人を救おうとする、人間の強さを見た思いです。映像のみならず、そのへんの心理劇も、先行作よりパワーアップしていたと思います。
ところで、「竜巻チェイサー」って実際にいるそうで、彼らの撮影した映像もこの映画に使われているそうです。彼らの記録は現実の気象学にも役立てられているみたい。すごいなリアル。
自然災害は激甚で、防ぐすべはないものですが、予測の精度を上げて被害を減らしていくことができたらいいと、そんなことも思いました。