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人事って何するところ?素人でも丸わかり人事のお仕事入門編(退職代行の巻)

会社の会議室。退職代行に関するニュースを見ながら、二人が議論を始める。

B:部長、最近よく聞く「退職代行」って知ってます?

A:退職代行?なんだそりゃ。勝手に辞めさせてくれる会社でもねぇだろう。

B:いやいや、違うんです。会社に直接辞めるって言いづらい人が、代わりに退職の手続きをしてくれるサービスなんですって。

A:ふーん、そんなのあったのか。でも、うちの会社にそんなの必要ないだろ。

B:いや、ちょっと待ってくださいよ。最近、若手社員の離職率が高まっているって話、聞いたことないですか?もしかしたら、うちの会社にも、退職代行を使いたいと思っている人がいるかもしれないですよ。

A:そんなことあるか?みんな、うちの会社を気に入ってくれてるはずだ。

B:でも、もしかしたら、言えない悩みを抱えている人がいるかもしれないじゃないですか。例えば、パワハラとか、セクハラとか。

A:そんなこと、うちにはない!

B:いやいや、ないとは言い切れませんよ。最近は、SNSで内部告発とかもよくありますし。

A:とにかく、うちには関係ない話だ。

B:でも、部長、もし、うちの会社で退職代行を使われたら、どうします?

A:どうするって、そんなの当たり前だろ。普通に退職手続きを進めるだけだ。

B:ちょっと待ってくださいよ。退職代行を使われたということは、何か問題があったということかもしれません。その原因を突き止めて、改善しないと、また同じことが繰り返される可能性がありますよ。

A:原因?そんなの、いちいち調べる必要はない。

B:でも、原因が分からないままでは、問題解決には繋がりませんよ。

A:とにかく、そんなことより、会社のためにも、一刻も早く退職手続きを進めないと。

B:ちょっと待ってくださいよ!

A:もういい!とにかく、人事部としては、会社を守るために最善を尽くすだけだ!

退職代行事業について詳細に解説

退職代行とは?

退職代行とは、従業員が自ら会社に退職の意思を伝える代わりに、専門のサービス会社がその手続きを代行するサービスです。

なぜ退職代行を利用するのか?

  • 直接会社に伝えるのが怖い: パワハラやセクハラなどの問題を抱えている場合、直接会社に伝えるのが怖いという人がいます。

  • 退職交渉が難しい: 退職条件や残業代の未払いなど、会社との交渉が難しいため、第三者を介して行いたいという人がいます。

  • 精神的に辛い: 退職の手続き自体が精神的に辛いという人もいます。

退職代行の仕組み

  1. 依頼: 従業員が退職代行会社に依頼。

  2. ヒアリング: 退職代行会社が従業員から事情を聞き、退職の理由や希望などを確認。

  3. 会社への連絡: 退職代行会社が会社に退職の意思を伝達。

  4. 交渉: 必要に応じて、退職条件や残業代の未払いなどについて、会社と交渉。

  5. 手続き完了: 退職手続きが完了し、従業員に報告。

退職代行を利用するメリット・デメリット

メリット

  • 精神的な負担軽減: 直接会社に伝える必要がないため、精神的な負担を軽減できる。

  • 交渉力: 法律知識や交渉経験のある専門家による交渉が可能。

  • 客観的な視点: 感情的な対立を避け、客観的な立場で交渉を進めることができる。

デメリット

  • 費用がかかる: サービスを利用するためには、手数料が必要となる。

  • 会社との関係悪化: 会社との関係が完全に断絶してしまう可能性がある。

  • 悪質な業者もいる: 悪質な業者に依頼してしまうと、トラブルに巻き込まれる可能性がある。

会社側の対応

退職代行の依頼を受けた場合、会社側はどのように対応すべきか。

  • 冷静に対応: 感情的に対応せず、冷静に状況を把握する。

  • 労働契約法などを確認: 労働契約法などの関連法規を確認し、法的に正しい対応を行う。

  • 退職理由の確認: なぜ退職代行を利用したのか、その理由を尋ねる。

  • 改善点の検討: 退職理由から、会社として改善すべき点がないか検討する。

退職代行が違法になるケース

退職代行自体が違法というわけではありませんが、以下の行為は違法となる可能性があります。

  • 非弁行為: 弁護士資格を持たない者が、法律相談や契約交渉などを代行することは、弁護士法違反の「非弁行為」にあたります。

  • 脅迫や強要: 会社に対して不当な要求をしたり、脅迫や強要を行ったりすることは、違法行為となります。

  • 虚偽の事実の告知: 会社に対して虚偽の事実を告げたり、事実を歪曲したりすることは、民法上の不法行為に該当する可能性があります。

退職代行を利用する際の注意点

  • 弁護士によるサービスを選ぶ: 弁護士が運営する退職代行サービスであれば、法律的な問題なく安心して利用できます。

  • 契約内容をしっかり確認する: 契約内容をしっかりと確認し、不明な点は事前に質問することが大切です。

  • 悪質な業者に注意する: インターネット広告などで安易に業者を選ばずに、口コミや評判などを参考に選ぶことが重要です。

退職代行を利用するメリットとデメリット

退職代行を利用する際のフロー

  1. 相談: 退職代行業者に相談し、状況を説明します。

  2. 契約: 契約内容を確認し、契約を締結します。

  3. 手続き代行: 退職代行業者が会社に退職の意思を伝達し、交渉を行います。

  4. 完了: 退職手続きが完了し、退職証明書などが発行されます。

退職代行に関するQ&A

  • 退職代行を利用すると、会社にバレる可能性はありますか? → 原則として、会社にバレる可能性はあります。ただし、弁護士によるサービスであれば、法律的に問題なく手続きを進めることができます。

  • 退職代行は誰でも利用できますか? → 特に制限はありませんが、未成年者や精神的に不安定な状態の方は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

  • 退職代行の費用はどのくらいかかりますか? → 業者によって料金体系は異なりますが、一般的に成功報酬型が多いです。

まとめ

退職代行は、従業員が抱える悩みを解決するための手段の一つですが、利用する際にはメリットとデメリットをしっかりと理解し、慎重に検討する必要があります。会社側も、退職代行の依頼を受けた場合は、冷静に対応し、従業員の意見に耳を傾けることが重要です。

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