うちの会社ブラックかも!!素人にもわかりやすく労働基準法の解説5−3(1週間単位の非定型的労働時間制)
新入社員: 先輩、この間部長から「1週間単位の非定型的労働時間制」っていう言葉を聞いたんですけど、よく意味が分からなくて…。
先輩社員: おお、新入社員くん、それは良い質問だな!ちょっと漫才形式で教えてあげようか。
新入社員: え?漫才ですか?
先輩社員: そうそう!面白く覚えられるようにね。
先輩社員: まず、普通の会社ってさ、だいたい毎日同じ時間に始まって、同じ時間に終わるでしょ?
新入社員: はい、そうです。
先輩社員: でも、例えばレストランとかだと、ランチタイムはめっちゃ忙しくて、ディナータイムは少し暇だったりするでしょ?
新入社員: 確かにそうですね。
先輩社員: そこで登場するのが、1週間単位の非定型的労働時間制なんだ!
新入社員: 1週間単位…非定型的…労働時間制…?
先輩社員: ほら、難しい言葉が出てきたね!簡単に言うと、1週間トータルで見たら、みんながちゃんと決められた時間働いていれば、忙しい日は少し長く働いて、暇な日は早く帰ったり、休みを取ったりしてもOKってことなんだ。
新入社員: えー、そんなことできるんですか?
先輩社員: できるんだよ!例えば、週末は人がたくさん来るから、土日は少し長く働いて、平日は早めに上がってゆっくりできるってわけ。
新入社員: それはいいですね!でも、ズルしていつも早く帰りたい人がいたらどうするんですか?
先輩社員: そこがミソなんだ!1週間トータルで決められた時間働かないとダメだから、ズルはできないんだよ。
新入社員: なるほど!でも、逆にいつも残業している人もいるんじゃないですか?
先輩社員: もちろん、そうならないように会社はちゃんと管理する必要があるんだ。残業しすぎると、みんなが疲れてしまって、良い仕事ができなくなっちゃうからね。
新入社員: よく分かりました!1週間単位の非定型的労働時間制、なんだか面白そうですね。
先輩社員: そうだろう?でも、この制度は、レストランとか小売店みたいに、忙しさに波がある仕事をしている人が対象なんだ。
新入社員: そうなんですね。
先輩社員: まあ、とにかく、会社のルールや、自分の仕事内容によって、使える場合と使えない場合があるから、よく確認するようにね。
新入社員: はい、分かりました!ありがとうございました!
1週間単位の非定型的労働時間制を詳しく解説します
1週間単位の非定型的労働時間制とは?
1週間単位の非定型的労働時間制は、労働基準法に基づいた労働時間制度の一つで、1週間という短い期間で労働時間を平均し、週40時間以内(特定の事業場では44時間以内)に収めることで、1日や1週間の労働時間を柔軟に設定できる制度です。
なぜ1週間単位の非定型的労働時間制が必要なの?
業務の繁閑調整: レストランや小売店など、客の入りが時間帯や曜日によって大きく変動する業種では、忙しい時間帯は人員を集中させ、閑散期には人員を分散させることで、効率的な人員配置が可能になります。
従業員の働き方改革: 従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を提供し、ワークライフバランスの向上に貢献できます。
サービスの向上: 顧客のニーズに合わせたサービス提供が可能となり、顧客満足度の向上に繋がる場合があります。
1週間単位の非定型的労働時間制のメリットとデメリット
メリット
従業員の満足度向上: 柔軟な働き方ができるため、従業員の満足度向上に繋がることが期待できます。
業務の効率化: 業務の繁閑期に合わせて労働時間を調整することで、業務の効率化が図れます。
顧客サービスの向上: 顧客のニーズに合わせたサービス提供が可能になります。
デメリット
労働時間の管理が複雑: 労働時間の管理が複雑になり、誤った運用をしてしまう可能性があります。
従業員の健康への影響: 過度な労働時間やシフトの変更が、従業員の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
導入できる業種が限定的: 小売業、旅館、料理店など、特定の業種に限られています。
1週間単位の非定型的労働時間制の導入条件
労働基準監督署への届出: 労働基準監督署に届出を行う必要があります。
労使協定の締結: 労働者代表との間で労使協定を締結する必要があります。
就業規則への明記: 就業規則に1週間単位の非定型的労働時間制に関する事項を明記する必要があります。
1週間単位の非定型的労働時間制の注意点
1週間単位の平均: 1週間単位で労働時間を平均し、法定労働時間を超えないようにする必要があります。
休憩時間の確保: 労働基準法で定められた休憩時間を確保する必要があります。
深夜労働の制限: 深夜労働については、労働基準法の規制を受ける場合があります。
過労死防止対策: 従業員の健康管理に十分配慮し、過労死防止対策を講じる必要があります。
導入できる業種: 小売業、旅館、料理店、飲食店など、従業員数が30人未満の事業場に限られています。
1週間単位の非定型的労働時間制と他の変形労働時間制との違い
まとめ
1週間単位の非定型的労働時間制は、業務の繁閑が激しい業種で働く従業員にとって、より柔軟な働き方を可能にする制度です。しかし、導入にあたっては、労働基準法などの法令を遵守し、労働者の健康や安全に配慮することが重要です。
ご自身の会社に導入を検討されている場合は、専門家にご相談することをおすすめします。
よくある質問
1週間単位の非定型的労働時間制を導入すると、残業代は発生しないのですか?
1週間単位で労働時間を平均し、法定労働時間を超えていなければ、残業代は発生しません。ただし、法定労働時間を超えて働かせた場合は、残業代を支払う必要があります。
1週間単位の非定型的労働時間制は、どの業種でも導入できますか?
従業員数が30人未満の小売業、旅館、料理店、飲食店に限られています。
より詳しい情報が必要な場合は、お気軽にご質問ください。
具体的な例で説明します。
例えば、レストランでは、ランチタイムは非常に忙しく、ディナータイムは比較的空いていることがあります。1週間単位の非定型的労働時間制を導入することで、ランチタイムは時間を延長して働き、ディナータイムは早く帰宅できるようなシフトを組むことが可能です。
この制度を導入する際の注意点としては、以下の点が挙げられます。
従業員の同意: 労働時間に関する重要な事項なので、従業員の同意を得ることが必要です。
労働時間の記録: 労働時間を正確に記録し、法定労働時間を超えていないかを確認する必要があります。
健康管理: 従業員の健康状態に十分注意し、過労を防ぐための対策を講じる必要があります。