見出し画像

うちの会社ブラックかも!!素人にもわかりやすく労働基準法の解説7−3(企画業務型裁量労働制)

舞台は、新しいプロジェクトの会議室。AさんとBさんが資料を広げている

Bさん: Aさん、この「企画業務型裁量労働制」って、よくわかりません。僕、このプロジェクトでこの制度になるらしいんですけど。

Aさん: おお、Bくん、それはいい質問だね! 企画業務型裁量労働制ね、ちょっと自由な働き方ができる制度なんだ。

Bさん: 自由な働き方?

Aさん: そうそう。簡単に言うと、**「いつ、どこで、どんな風に仕事をするか」**を、ある程度自分で決められる制度なんだ。

Bさん: え? じゃあ、好きな時間に仕事していいんですか?

Aさん: まあ、そうなる場合もあるんだけど、ちょっと条件があるんだ。

Bさん: 条件ですか?

Aさん: 例えば、僕たちの仕事みたいに、新しいサービスを企画するような仕事は、この制度の対象になることが多いんだ。

Bさん: なるほど。

Aさん: で、この制度だと、会社が「1日のみなし労働時間は8時間」って決めてて、実際に働いた時間が8時間じゃなくても、8時間働いたものとして給料がもらえるんだ。

Bさん: えー、じゃあ、残業してもお金もらえないんですか?

Aさん: そうじゃなくて、**「みなし」**ってところがポイントなんだ。つまり、自分の裁量で仕事を進めるから、結果として残業になったとしても、あらかじめ決められた時間働いたとみなされるってこと。

Bさん: よくわかりません...。

Aさん: 例えば、夜中にアイデアが浮かんで仕事をしたとしても、翌日にまとめて8時間分の仕事をしたとみなせる。でも、逆に、昼間はゆっくり仕事をして、夜にまとめて仕事をすることもできる。

Bさん: えー、自由すぎませんか?

Aさん: そうとも言えるけど、責任も大きいんだ。自分で計画を立てて、成果を出さなきゃいけないからね。

Bさん: 確かにそうですね。

Aさん: この制度は、自分で考え、行動できる人にとっては、とても魅力的な制度なんだ。でも、何でもかんでも好きなようにできるわけじゃないからね。

Bさん: わかりました! でも、なんか複雑ですね。

Aさん: そうだな。この制度は、自由と責任がセットになった制度なんだ。だから、しっかりとルールを守りながら、自分のペースで仕事を進めていくことが大切なんだ。

Bさん: わかりました! ありがとうございます!

企画業務型裁量労働制を詳しく解説!

企画業務型裁量労働制とは?

企画業務型裁量労働制とは、新しいサービスや製品の企画、マーケティングなど、高度な企画力や創造性を要する業務に従事する労働者に対して、労働時間が明確に定められていない働き方のことです。つまり、いつ、どこで、どのように仕事をするかを、ある程度労働者自身が決定できる制度です。

なぜこのような制度が必要なの?

  • 柔軟な働き方のニーズの高まり: グローバル化やデジタル化が進み、企業はより柔軟な働き方を求めるようになりました。

  • 創造性を重視する業務への対応: 企画業務は、定型的な業務ではなく、創造性や発想力が求められるため、従来の労働時間管理では対応が難しい側面があります。

制度のメリットとデメリット

メリット

  • 労働者の自主性と創造性を尊重: 労働者は、自分の能力を最大限に発揮し、より創造的な仕事に取り組むことができます。

  • 柔軟な働き方: 時間や場所に縛られずに、効率的に仕事を進めることができます。

  • 企業の競争力向上: 労働者の能力を最大限に引き出し、企業の競争力向上に貢献します。

デメリット

  • 長時間労働のリスク: 労働時間が明確に定められていないため、長時間労働になりやすい傾向があります。

  • 健康への影響: 長時間労働や不規則な勤務によって、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 労働条件の悪化: 労働者が不利な条件で働かされるおそれがあります。

制度の適用要件

  • 労使協定の締結: 使用者と労働者の代表者(労働組合など)の間で、企画業務型裁量労働制に関する労使協定を結ぶ必要があります。

  • 対象業務の明確化: どの業務が対象となるのかを明確に定める必要があります。

  • 労働者の同意: 対象となる労働者の同意を得る必要があります。

労働者の注意点

  • 長時間労働に注意: 自由な働き方ができる一方で、長時間労働になりやすいことに注意が必要です。

  • 健康管理: 自分のペースで仕事を進めることができる反面、健康管理には十分注意しましょう。

  • 権利の行使: 労働条件に不満がある場合は、労働基準監督署などに相談しましょう。

企業側の注意点

  • 労働時間の管理: 労働時間が適切に行われているか、定期的に確認する必要があります。

  • 健康診断の実施: 労働者の健康状態を把握し、必要に応じて適切な措置を講じる必要があります。

  • 労働基準法の遵守: 労働基準法をはじめとする労働関係法規を遵守する必要があります。

まとめ

企画業務型裁量労働制は、労働者の能力を最大限に引き出すことができる一方で、長時間労働や労働条件の悪化といったリスクも伴います。この制度を導入する際には、労働者と企業がしっかりと話し合い、双方にとって最善の制度となるよう努めることが重要です。

いいなと思ったら応援しよう!