うちの会社ブラックかも!!素人にもわかりやすく労働者災害補償保険法の解説1−2(業務災害、複数業務要因災害、通勤災害)
Bさん: Aさん、先日「業務災害」って言葉を聞いたんですけど、よく分からないんです。
Aさん: なるほど、Bくん。業務災害っていうのは、仕事中にケガをしたり、病気になったりすることなんだ。例えば、工場で働いていて機械に手を挟んでしまったり、オフィスでパソコンを使いすぎて目が悪くなったりするような場合がこれにあたる。
Bさん: へぇ、仕事中のことなら何でも業務災害になるんですか?
Aさん: そうとは限らないんだ。仕事中に私的なことをしてケガをした場合は、業務災害とは認められないことが多い。
Bさん: なるほど。じゃあ、通勤中にケガをした場合はどうなんですか?
Aさん: 通勤中にケガをした場合は、「通勤災害」っていうんだ。これも労災保険の対象になることが多い。
Bさん: 通勤中も対象なんですね。
Aさん: そうなんだ。通勤は仕事の一部とみなされているから、通勤中に事故に遭った場合も、労災保険で治療費などが支払われる。
Bさん: それは助かります。
Aさん: 最近、新しい言葉が出てきたんだけど、知ってるかい?「複数業務要因災害」って言うんだ。
Bさん: 複数業務要因災害?
Aさん: そう。これは、複数の会社で働いている人が、それぞれの会社での仕事が原因で病気になった場合に、労災が認められる可能性があるっていう制度なんだ。
Bさん: 複数の会社?
Aさん: そう。例えば、A社では長時間労働で疲れて、B社では精神的なストレスが溜まって、結果的にうつ病になった場合に、両方の会社の仕事が原因と認められる可能性があるんだ。
Bさん: それはすごいですね。
Aさん: そうなんだ。昔は、どちらの会社が原因か特定するのが難しかったんだけど、この制度のおかげで、労働者はより保護されるようになったんだ。
Bさん: いろいろと勉強になりました。ありがとうございます。
業務災害、複数業務要因災害、通勤災害について詳しく解説します
業務災害
業務災害とは、労働者が業務中に負ったケガや病気のことを指します。具体的には、仕事中の事故による怪我、業務中の作業姿勢による痛み、業務が原因で発症した病気などが挙げられます。業務災害と認められるためには、業務とケガや病気との間に因果関係があることが必要です。
複数業務要因災害
複数業務要因災害とは、複数の事業所で働いている労働者が、それぞれの事業所の業務が原因となって病気になった場合に、労災が認められる可能性があるという制度です。例えば、A社で長時間労働で疲弊し、B社で精神的なストレスを受けてうつ病になった場合などが該当します。
従来、複数の事業所で働いている労働者が病気になった場合、どちらの事業所の業務が原因か特定するのが難しく、労災が認められないケースが多々ありました。しかし、この制度の導入により、複数の事業所の業務が複合的に影響して病気になった場合でも、労災として認められる可能性が高まりました。
通勤災害
通勤災害とは、自宅と勤務先の間の往復中に負ったケガや病気のことを指します。通勤経路は、自宅から最短距離の経路だけでなく、通常利用している経路も含まれます。通勤災害と認められるためには、通勤中であること、そしてケガや病気が通勤と関連性があることが必要です。
各災害の比較表
労災保険の給付内容
労災保険では、業務災害、複数業務要因災害、通勤災害に対して、以下の給付が受けられます。
治療費: ケガや病気の治療に必要な費用
休業補償給付: 仕事ができなくなった期間の収入の補償
障害年金: 永久に障害が残った場合に支給される年金
死亡一時金: 死亡した場合に遺族に支給される一時金
労災認定の手続き
労災認定の手続きは、事業主が労働基準監督署に申請を行います。申請に必要な書類は、診断書、給与明細書などがあります。
まとめ
業務災害、複数業務要因災害、通勤災害は、労働者が仕事中に負ったケガや病気に対して、労災保険から補償を受けることができる制度です。もし、仕事中にケガをしたり、病気をしたりした場合には、速やかに事業主や医師に相談し、労災保険の手続きを進めることが重要です。
注意点
労災保険の認定には、一定の期間と手続きが必要になります。
労災保険の給付を受けるためには、業務災害、複数業務要因災害、通勤災害に該当することが必要です。
労災保険に関する詳しいことは、労働基準監督署に相談してください。
その他
労災保険の目的: 労働者の保護、事業の安全衛生の確保、社会全体の福祉の増進
適用事業: 労働者を1人でも雇用するすべての事業
暫定任意適用事業: 一部の事業(農業、漁業など)は、労災保険への加入が任意となっている