【学校教育】公立小中教員に若手指導ポストを新設。給与も増額。【待遇改善/労働条件】
公立小中教員に若手指導ポスト新設へ、給与も増額…「主幹教諭」と「教諭」の間に
というニュースを読みました。
概要としては、
文部科学省は、公立小中学校に若手教員の指導にあたるポストを、校長ら管理職を補佐する主幹教諭と一般の教諭の間に新設し、給与も増額する。
ということです。
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学校現場での人手不足の原因の一つとして、新人教師が定着しないということがあります。
これには様々な理由がありますが、その一つが、新人教師に対する教育不足と言われています。
民間企業では手厚い研修制度を設けているところが多いのですが、学校では、先輩や周りの教師に研修内容が丸投げされているということをよく聞きます。
そうなってしまうと、先輩や周りの教師が業務飽和の状況であるのにも関わらず、さらに新人の世話をしなくてはいけないとなってしまうと、自身の業務とのバランスを考えなくてはいけませんから、研修が雑になったり、精神的な対応が悪くなってしまうことは仕方がありません。
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もちろん、新人教師の性質として「あまり構わないで欲しい」という場合もあるでしょう。
しかし、
見守ることとほったらかしにすることは違う
ということを理解しなくてはいけません。
見守るということは、口は出さないことが多いものの、途中経過において何か違うことを行ってしまったり・注意点がある場合に適切に指導することです。
一方ほったらかしは、何をしても指導せず結果だけを見て評価する、ということですから全く違います。
しかし、この見守るというのは、指導側にある程度の時間的・精神的余裕が無いと難しい行動です。
ですので、研修専用のポストを作ることで新任側・学校側ともに、様々なことが明確になるところが良いと思います。
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この新設ポスト設置だけでなく、数日前には「教師給与を10%以上引き上げ」という方針も明らかにしていますので、人とカネの両面について手厚くする方針という考え方と方向性として良いと思います。
しかし、以下のことについての危険性が考えられます。
1.ある特定の人物に業務が集中しないか
内容を確認すると、ポストを新設=現在の教師の中から任命される、と読み取れますので、有能な方・もしくは立場の弱い方が任命される形になると思います。
そうした場合、ある特定の人物に多くの業務が集まってしまうという危険性が考えられます。
ですのでそういった危険性を回避するために、指導内容によっては、退任した教師や学習塾、他の教育機関との連携を行うことも必要だと思います。
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2.長時間労働が増加する。
給与が増額される、ということは基本的に良いことです。
今まではサービス残業であったり、業務内容に見合った金額で無かったところが、少しでも報われるのは良いことだと思います。
しかし、
給与を増額したのだから、その分働こうね。
というメッセージとして受け取られてしまう危険性もあります。
私の認識として、今回の給与の増額分というのは、今までの業務が激務だったので、それに報いるための金額と考えています。
つまり、今現在の業務にさらに他の業務を追加することは違うと思います。
2024年4月からは「運送業や医師についての働き方改革」が進んでいます。
同じように、教員についても少しずつ労働条件が改善されることを望みます。
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