コスパとかタイパとか、大丈夫?
最近何かで目にした文字列、だった気がするのですが
「パスとかコスパの悪い技法は使わず・・」
みたいなもの。
まあ、技法に対してコストのような考えを取り入れるなら
マジック道具なんて、破損のリスクが高いので
コスパ悪いっすよ、と言いたくなる性分です
(マジック道具を売っている事なんて、棚に上げまくったうえで)
昨今、色々とコスパやタイパと言った言葉を見たり
聞いたりが多くなっていると思います。
「そうでもないけど?」という方もいるでしょうが
何せ、牛丼の松屋のモバイルオーダーに関しても
タイパよく、みたいな感じの文言がある位ですから。
ただですね・・・よく考えてみて下さい。
「お店にとってのコスパがイイお客」って、どんな方?
パッと来て、単価と利益率の高いモノを食べ、サッと帰る
って方でしょ?
そこに当てはまってない存在なら、だんだんと
お店から切られる存在なのではないですかね?
もう少しマイルドな言い方をすれば、マーケティングの
対象ではないカテゴリーの存在になるのでは?
ほら、お店に行って、牛丼1杯頼んで
山ほど紅ショウガ乗ってけて、スマホで何かを見ながら
結構長い時間だらだらといたりする人、いるじゃないですか?
ビール一本で長居するようなタイプの人とか。
どう考えても、お店的にはコスパの悪い人です。
なので、そういった人が来ないようにするか
単価を上げて、より良いお客さんになってもらうか
そういった施策をするのが、お店としては適切ってことで。
松屋の夜間の価格が上がったはずですよね
色々な理由があるはずですが、単価アップにもなるし
コスパ悪い人が来ないようにするって目的も
あるのではないでしょうかね?
もちろん、人員不足でその人員確保のため
という事もあるのでしょうが。
だいぶ話がそれましたが、タイパだコスパだ
言っている人たちが、タイパやコスパの対象になり
自分の望んだサービスを受けられなくなるのでは?
ってことを、考えたことあるのかな??って。
僕の目には自分で自分の首を絞めているような人たちが
世の中にたくさん生まれてきているような気がしてなりません。
僕個人は、タイパとかコスパとか
あまり意識しないもので
それ以上に、自分の好みや感情を優先させますので。
で、手品に戻って(ながーい、前振り?(笑))
技法の習得にコスパなどと言う概念を
持ったことはありません。
所詮、年単位で身につけていくものだと思っておりますので。
パフォーマンスの部分を計算する要素として
「習得までの時間」
というものが大きいような気がします。
もちろん、決して小さなファクターではないのですが
重要とするのはそこではないと思うんです。
僕がもしコスパがイイ、というなら
汎用性があったり、角度を選ばなかったり
特殊な準備がいらないとか
そういった事でしょうか。
なので、エルムズレイカウントなどは
習得までに少々時間がかかりますが
身につけたら演じられるパケットトリックの数が
ドカンと増えますので、非常にお得なカウントです。
別のファクターとしては
「どれくらいの人がやっているか」
という部分があると思っています。
多くの人がやっている、というのは
習得に時間がかからない、と判断ができます。
あまりやられてないという事は
希少価値が出てくる可能性があるわけです。
例えば、ふじいさんのサイドワインダーにしても
たばこの貫通にしても、多少やっている人を
見かけはしますが、ふじいさんのレベルで
出来ている方は皆無です。
(直接ふじいさんのテクニックを間近で見られる方は、修正ができるのか上手い方が多いですよね。というか、恐らく本人のリズムを身体で学べるから上手くなるのでしょう。)
これらのテクニックは、ふじいさんをして習得までに
(今の状態になるまで、といいますか)
年単位での時間がかかっているはず。
それらをふじいさんが言語化してくれたから
たまたま一気に習得できる状態になっている
いう感じでしょうか。
時間を考えたらコスパはよくないはずですが
でも、頑張っている人たちは多いイメージです。
他の人がやってないテクニックに対して
「コスパがイイ」
という感覚を持つことはあります。
ただ、小林は、クイック・3ウェイや
マーローリテンションチェンジのような
もう誰もやってないような昔のテクニックを
練習することはあり、これは効率が良いからの
部分があります。
誰もやってない、でも既に文字かされている
探せばアプリケーション(そのテクニックを使用した作品)も
既にあったり。
ダブルディールなんて、かなりマニアなテクニックで
数年色々と練習していましたが
ジャレットコッフが来日して演技の中で使った際に
濃いマニアには知られてしまったテクニックですね(笑)。
マジックや技法に対して、タイパやコスパなんてことを
考えていくと、結果的には触れることが無くなるトリックや
理論などが生まれる可能性があり得ます。
それはちょうど、マーケティング対象ではない
と扱われるようなもののような気が。
自分で勝手に自分の首を絞めて、面白いマジックに
近づくチャンス捨てていません?って。
何にせよ、手を出してみるっていうのは
非常に大事だと思うんですよね、マジックなんて。
その上で選択すればいいわけで。
個人的には、新しいテクニックって
使用範囲が狭い感じがするので、昔の技法の方が
ダイナミックで使用範囲も広い気がします。
そして、現代あるテクニックの土台になるモノだったりするので
結果的に新しいものを習得する際には
土台が出来上がっていて、習得までの時間が早い
ってこともあると思います。
ま、一番コスパが悪いのは
「きちんと過去を学ばない」
ってことのような気がしますので、書籍などで
学んでいってみてはいかがでしょうか?
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